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北朝鮮の柔軟と思われる姿勢が朝鮮半島緊張緩和への期待を高めている。この二ヶ月間で、金正日と彼の部下は6カ国協議のすべての参加国の関係者と会った。このなかで、非核化を進めるという曖昧な約束をしているが実質的な措置は取られていない。

北朝鮮は米韓との関係向上のため新しい努力をすると共に、露・中との首脳会談を通じて政策の変化が進んでいることを見せた。今までの動きから見ると北朝鮮という船は、「好戦」と「協力」の間を行き来しながら長期目標達成のための航路に位置している。

また、周辺国から経済的支援を得るための外交的な手段をとっているが、食糧援助と経済補助は北朝鮮の好戦的な変化を緩和させるかもしれない。しかし、この目標の達成に失敗すれば、またもや挑発的な行動のメリットを計算しはじめるだろう。

北朝鮮は「好戦」と「協力」という両極端的な行動を単純に繰り返しているわけではない。相手を不安にさせながら弱化化させるためにはしばしば見せる。最近、「協力」の姿勢を見せているのは彼らの2年間の挑発的な行動に起因する。北朝鮮は、相次ぐ挑発によって米国とその同盟国の懐疑感が高まったことから「協力」の必要性を感じただろう。

米韓が北朝鮮へ協力しようとする意志を持っていたとしても、6カ国協議への復帰に効果があるかどうかは疑問だ。北朝鮮政権との交渉は、不正行為に対する不安から進行が遅く困難である。我々が期待する6カ国協議は幻想に終わる可能性もある。

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金正日とロシアのメドベージェフ大統領の首脳会談では、いつもの如く外交的・経済的な約束が取り交わされた。北朝鮮は外国の経済援助に対する答礼で、以前の状態に復帰するとの外交的約束をしたが、この約束が履行されることに対する疑問は残っている。

首脳会談の直後には金正日が核とミサイル活動の中断を約束するとの見出しがあふれた。しかし、これさえもロシアのスポークスマンが「会談期間に北朝鮮は核実験および核ミサイル製造のモラトリアムを行う上での問題を蒯越する準備をすると、述べただけ」とコメントしている。

6カ国協議の再会にはほど遠いこの様なコメントが出る状況で、仮に北朝鮮が復帰しても引き延ばしの機会を提供するだけにすぎない。

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ビル・リチャードスン前ニューメキシコ州知事は、2010年の12月に平壌を訪問し、北朝鮮政権がIAEA(国際原子力機関)の監視団の北朝鮮核施設復帰を許可することに誓約したと発表した。当時、リチャードャ梼≠ヘ、「北朝鮮は、IAEA職員が北朝鮮がウラン濃縮計画を進行せず、平和目的でプロセスを施行しているかを確認できるように寧辺に復帰することを許可するだろう」と話していた。

リチャードャ梼≠フ誇張された訪朝にもかかわらず、その後、北朝鮮は約束を実行に移すことはなかった。こういった過去からもロシアが言及した金正日の約束は慎重に受け入れられなければならない。

南北とロシアをつなげる「ガスパイプライン」に関する報道も慎重にみるべきだ。こういった大規模なプロジェクトに韓国が含まれていない以上、経済的側面で事業性を達成するのは困難だろう。会談で金正日はロシアに借金の一部を少なくさせる方法を模索したが、今の北の経済力では数薯寃hルの大規模な事業の達成は難しい。

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ガスパイプライン事業は、エネルギーを必要とする韓国に繋がった時にだけ可能だろう。しかし、韓国は北朝鮮が原料供給をコントロールすることに警戒するだろうし、南北が緊張状態に陥ったときにエネルギー供給を中断すると威嚇される可能性を懸念している。

ガスパイプラインの合意が報告されてから、韓国側はいかなる言及もしていない。さらに深刻な経済状況を鑑みると、北朝鮮はロシアが約束した支援穀物5万トンと同じ経済補助を南側に求めるだろう。

北朝鮮の外交的努力は、多国間の核交渉に徐々に復帰することに寄与するだろう。北朝鮮が、韓国李明博(イ・ミョンバク)政府とは共存しないという過去の宣言を翻し、先日バリで韓国の関係者と会ったことは重要な意味を持つ。同様に、ニューヨークでの米朝会談は突破口にはつながらなかったが、南北会談と共に追加接触への道筋を形成することも可能だ。

その後、韓国は2010年の北朝鮮の2度の挑発に対する正式謝罪という既存の前提を南北協力と分離させることで、対北政策基調を緩和した。韓国は人道主義的支援を許可しようとする動きも見せている。

米国は、北朝鮮に90万ドルの水害支援を提案したが、過去のように大規模な食糧支援の提供についてはコメントをしていない。北朝鮮は、朝鮮戦争時に戦死した米軍遺骨の本国送還に対する会談再開を提案した。小さな動きではあるが、バリとニューヨーク会談という驚くべき発浮??ォ出したことと同じように、今後の北朝鮮と水面下の動きの可能性に対する推測も可能だ。

結果的に、米韓が北朝鮮との追加会談や計画に同意をするのか否かは、北朝鮮自身の行動にかかっている。米・韓の関係者は、6カ国協議再開への条件を強調し、北朝鮮の返事を待っていると話す。

IAEAの視察団の招請と核、ミサイル活動中断に対する北朝鮮の正式発浮ヘ多国間核交渉再開の強力な刺激剤になるだろう。しかし、仮にそうなったとしても、いかなる参加国も成功に対する強い希望は持っていない。

ブルース クルリンノ
(現)ヘリテージ財団東北アジア研究所専任研究員
(前)CIA北朝鮮分析家歴任(1996-2001)
著書:危険な旅程:オバマ行政府の核政策、2010