人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮は検閲の嵐の真っ只中である。軍人で構成された検閲組の暴風軍団という名前からも、住民に恐怖感を与えようとする意図が十分に伺える。実際の検閲も警告だけでなく、逮捕や拘束、家族の追放、処刑も行われている。このような検閲と統制の共通点は、検閲担当者が金正恩同志の指示で動いているという点だ。

金正恩が北朝鮮の統治に参加した2009年前後から、北朝鮮で過激な政策が相次いで発表された。貨幣改革はその代表で、住民は財産を没収された。昨年には、対南武力挑発も行われた。今年は、体制保衛を担当する人民保安相、国家保衛部のトップをすげ替え、全土で検閲の嵐が巻き起こっている。

金正恩は2009年半ばから国家安全保衛部の実質的なリーダーとして活動していると、情報当局は把握している。北朝鮮内の各種の検閲や統制政策などは、金正恩の登場以降から実施されている。

金正恩は、正式的には朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長を務めており、人民軍大将に称号も受けている。金正日は昨年9月の党代表者大会の前後に、体制を支える党と軍の要職に自身の側近を配置したと伝えられている。キム・ピョンヘ、崔龍海(チェ・リョンヘ)、パク・ドチュン、禹東則(ウ・ドンチュク)らが金正恩時代の重要な人物である。

世宗研究所のチョン・ソンジャン首席研究委員は、デイリーNKとの通話で「初めから軍と公安機関を掌握した金正恩は、国境、脱北者の統制などの政治的な抑圧措置を下達している。金正恩の住民統制の政治は、当分の間続くだろう」と予想した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

このように、一連の対内外の措置に対し専門家らは、金正恩の統治スタイルを垣間見ることができると分析している。本格的な金正恩時代は、外部の期待とは異なり、統制体制の存続と強化に繋がる可能性が高いと予想されている。

同研究委員は「貨幣改革の失敗などの影響で支持が低下している金正恩が、住民からのある程度の支持を引き出すまでは、強圧統治を継続するだろう。ある意味では、金正日にも劣らない強圧統治を広げるだろう」と予想した。

貨幣改革の失敗によって経済難が深刻化し、内部統制対策の強化によって金正恩への不満も高まっている。咸鏡北道の消息筋は「金正恩は父親よりもひどいヤツだと躊躇わずに話している」と現地の雰囲気を伝えた。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

登場以来、悪化の一途をたどっている自身への住民の世論を考慮し、金正日の信任を獲得するために強硬な対策をとっているという指摘もある。

京畿開発研究院のソン・グァンジュ先任研究委員は「現在の金正恩の権力は、金正日が後継者の時よりも弱い。最近の住民対策などは、父親の金正日に能力を認めてもらう為に行ったとみられる」と指摘した。

「経済難などで深刻化している体制弛緩現象が加速化している状況で、金正恩が内部規律を引き締める事は、金正日の信任はもちろん、自身の統治基盤を造成する事が出来ると考えているものと思われる」と解釈した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

一方、一部では、一連の内部統制対策は金正恩の統治基盤を強固とする為の金正日の策であるとの主張もある。金正日が未熟な金正恩に多くの権限を与えない為だと指摘されている。