「長くは生きられない」金正恩の健康異常説を秘密警察が調査

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新型コロナウイルス禍の中、北朝鮮は以前と比べると静かなように見える。弾道ミサイル発射などの軍事行動を控え、米韓などに対する挑発的メッセージの発信も多くはない。

しかし北朝鮮国内の情勢は、決して穏やかではない。食糧不足は金正恩総書記も公式に認めたほどだし、犯罪が多発しているとの情報も漏れ伝わっている。

そして、金正恩氏が最近になって体重が減ったように見えることで、国民の間では彼の「健康問題」が大きな関心事のひとつになっているようだ。

平安北道(ピョンアンブクト)のある住民は米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、「最近、幹部はもちろん一般住民の間でも『最高尊厳(金正恩氏)はまだ歳は若いが、高血圧をはじめ色々な病気を抱えており、長くは生きられないだろう』という話が広がっている。そんな中、テレビに映った最高尊厳の姿が目に見えて痩せていたために、『本当に大きな問題があるんじゃないか』という疑念が増幅されている」と説明している。

とはいえ、「我が国では最高尊厳の健康に言及するだけで反逆罪に問われるので、今のところ大きく世論化されているわけではない」(情報筋)という。下手なことを大っぴらに言って当局の知るところになれば、大げさではなく死刑や無期懲役は免れないだろう。

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しかしそれでも、密かに拡散する「健康異常説」に、当局はナーバスになっているようだ。この住民は「国家保衛省(秘密警察)は先月22日から、最高尊厳の健康問題に関する流言飛語について、秘密裏に調査を開始した。群保衛部の知人からそう聞いた」としている。

また、平安南道(ピョンアンナムド)の某所の人民班長(町内会長)もRFAに対し、「最近、村の人民班長たちに対し、最高尊厳の健康に関して些細なことにでも言及する住民がいたら、詳細を調べて報告せよという地元保衛部からの指示があった」と伝えた。

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この人民班長はさらに、「このような措置は、1994年7月8日に金日成主席が死んだ直後や、金正日総書記が脳卒中で倒れ建国記念行事に出てこられなかった時にも取られた」と述べている。

日米韓などの北朝鮮ウォッチャーの多くは、金正恩氏が痩せたことについて「深刻な問題ではない」と分析している。しかし北朝鮮国内では、同氏の健康を巡り、また違った緊張感があるのかもしれない。