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北朝鮮の平壌や大都市を中心に喫茶店、いわゆる『カフェ』が急増し、若いカップルのデートコースとしても注目されているという。

本紙の内部消息筋によれば、昨年から平壌(ピョンヤン)と新義州(シンウィジュ)、元山(ウォンサン)などで、コーヒーが飲める『カフェ』がオープンし、咸興(ハムン)や清津(チョンジン)、恵山(ヘサン)など北側地域にも徐々に広がっているとのことだ。

咸鏡北道の消息筋は、「清津のあちこちでカフェができている。若者が中心だが、中学生もデートに利用していて、世の中も変わったと住民たちは話している」と伝えた。

両江道(リャンガンド)消息筋は、「『ソンボン・カフェ』と『鴨緑江カフェ』が人気だ。19才以上の若い子らのデートコースになっている」とのことだ。

2000年代初期まで、北朝鮮でお茶やコーヒーを飲みながら時間を過ごす風習はなかった。普段の生活が大変で、お茶やコーヒーは一部富裕層や幹部の『ぜいたく品』だった。一般の人々はは、せいぜい暑い夏の日に『冷茶』と呼ばれる砂糖水を飲むぐらいで、カフェに行くなど想像すらできなかった。

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ある脱北者は、『茶家(喫茶店)』と看板が掲げる店があっても、アイスクリームやビールぐらいしか販売されていなかったと話す。この店も冬には客もいないので看板を下ろしていたとのことだ。

北朝鮮でコーヒーが飲まれるようになったのは2000年代中盤以降だ。他の生活品や文化と同じく中国を通じて「粉末コーヒー」が市場に流通し、一般の住民にも飲まれるようになった。とはいえ、あくまでも家に来た客をもてなす時に飲むぐらいだったという。

2008年に韓国に入国したある脱北者は、「北朝鮮にいる時には、コーヒーを飲んで喫茶店なんかで時間を過ごす余裕もなかった。韓国に来た時は、遊びに来た客に、お茶やコーヒーを出す風習に馴染めず戸惑ったりもした」と話す。

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北朝鮮の大都市を中心にカフェが増え、若者を中心にコーヒーが飲まれるようになったのは、多様な外部の文化が流入したことによる変化だ。中国からDVDや韓国製品などが流入して韓流が広がるのと似たような現象ともいえる。

2010年に北朝鮮を離れたある北脱出者は、「北朝鮮にカフェができたことに驚かされるが、一般の住民がコーヒーを飲むようになったのは、それだけ住民の意識に変化があることを意味しており、大きな発展だ」と述べた。

清津や恵山などにあるカフェは、午前9時から午後10時頃まで営業している。商業管理所に登録し、毎月の収益の30%を上納すれば、当局からは特別な制裁を受けずに営業できる。コーヒーとお茶は市場で簡単に入手することが可能で、営業を中止した食堂や食料商店がカフェに鞍替えしているとのことだ。

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中国産のコーヒーは一杯が500ウォンぐらいで、韓国産のコーヒーは800ウォンぐらいの値段だと消息筋は言う。米1キロが2300ウォンぐらいだから、決して安くはないが、住民は物珍しさと暑さを避けるためにカフェに行くという。市場では、粉末コーヒー20個入りのボックス一個が1万ウォンぐらいで売られている。

咸鏡北道の消息筋は、「中国から入ってくるコーヒーや韓国産のコーヒーを欲しがる人は多く、『コーヒー文化』が徐々に一般化しているようだ」と話した。

両江道(リャンガンド)消息筋は、「韓国映画を見たことがある人はカフェで、『これこそコーヒーショップだね。私たちの国も南朝鮮に似ているよ』と言うが、コーヒー数杯の値段が、米の1キロの値段と同じぐらいだから、まだまだ高い」という住民の反応を伝える。

一方、カフェを経営する住民は、当局の姿勢に神経を尖らせているという。カフェの屋号には、『白頭(ペクトゥ)』や『柳京(リュギョン)』など北朝鮮では馴染みのある言葉が使用されるが、これは北朝鮮当局の検閲を避けるための工夫とのことだ。

また、韓国産のコーヒーを堂々と売り、多くの青少年がカフェに行くことも不安視されているという。

両江道の消息筋は、「一時期、ビリヤード場がギャンブル場だと問題視され、金正日が全て閉鎖しろと指示を出した。韓国産のコーヒーを販売して中学生のデートスポットになっていると問題視されると、また閉鎖しろとの指示があるかもしれない」と話した。