人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

金正恩が、中朝国境地域の両江道と咸鏡北道に軍人で構成された「暴風軍団」という検閲組織を派遣し、脱北や密輸等の強力な検閲を指示したと内部消息筋が8日、伝えた。

両江道の軍消息筋は「青年大将(金正恩)の指示で、思想、忠誠度が検証された特殊部隊の兵士から『暴風軍団』という検閲団を組織し、今月4日から国境地域に配置された。活動期間は来月4日までだという」と話した。

また「脱北や密輸の専門的な取り締まり、統制が目的。取り締まりに応じなければ射撃を行う権限も持っており、住民らは怖気づいている」と付け加えた。

咸鏡北道穏城の消息筋も「暴風軍団は、軍官(少尉以上)が中心になって国境警備隊や密輸グループを対象に厳しい検閲を行なった。警備隊や密輸グループを通じた脱北が増加しており、これと関連した検閲だと聞いている」と述べた。

消息筋によると、暴風軍団は脱北と密輸が頻繁な警備所に配置された。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

両江道恵山市ヒェガン洞で警備隊の支援を受けて密輸を行っているA氏は、「ソンフ警戒所、カンアン警戒所、カング警戒所などが密輸や脱北者の多い場所だが、この周辺に兵士が15人ずつ配置され、国境警備を行っている。このため、警備隊の兵士と検閲団の兵士との間で摩擦も生じているという」と話した。

続いて「仕事が中断された警備隊の兵士が密輸を助けて欲しいという要請を聞き入れ支援したが、検閲団によって阻止された。するとこの兵士は『自分の区域でやりたい様に出来ないのはおかしい』と抗議したが、即座に検閲団に逮捕された」と付け加えた。

北朝鮮では、今年上半期は金正恩の主導の下、中朝国境地域での脱北や密輸などの検閲が強化されてきた。最近では、中央党レベルで検閲団を派遣し、国境警備隊や保衛員に対する検閲も行われた。しかし、幹部の規律の乱れ、蔓延した汚職の影響から成果を納める事が出来なかったと伝えられていた。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

このため、比較的に忠誠心の高い兵士で検閲団を構成し、脱北、密輸のルートである国境を封鎖し、関係者の捜索に乗り出したものと思われる。特に、検閲団が直接国境検問所の警備に行うだけでなく、取り締まり過程での即決処刑の権限まで与えられたのは極めて異例である。

また、暴風軍団が配置される直前の人民班の会議でも、厳しい検査と処罰が伴うという点が強調されていた事が明らかになった。

両江道の消息筋B氏は「2日の人民班会議で、暴風軍団の検閲期間に自首すれば許されるが、それ以外の場合、以前とは別次元の処罰が下されるという情報が伝えられた。人民班長は『これまでのやんわりとした教養段階は過ぎ去ったということ。厳しい処罰が待っているだろう』と述べた」と伝えた。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

軍官50人余りと下戦士(兵士)100人余りで構成された暴風軍団は、現在、恵山市ヘジャン洞にある建物(金正淑芸術劇場の隣)の8階に指揮部と宿泊施設があると消息筋は伝えた。検閲過程逮捕した軍人や住民は、この建物で調査を受けている。

B氏は「彼らは1ヶ月間の速戦即決で終わらせるとの方針に沿って、片っ端から検閲している。検閲を事前に知らなかった密輸業者らが、20〜30人は逮捕された」と伝えた。

軍人で構成された検閲団の厳しい検査が進むにつれ、住民は不安を隠せずにおり、一方では不満も高まっていると伝えられた。

B氏は「検閲団が鴨緑江沿線の町を対象に、家宅捜査や持ち物検査まで行っている。保衛司令部の検閲よりも酷い検閲と言われている。恵山市カング洞では、検閲に恐れをなした家族が中国に逃走したという」と伝えた。

他の消息筋C氏も「検閲に対する住民の不満が高まり、一部では『1人を締め上げて10人を教育するのではなく、1人を締め上げて100人が逃げ出している』『食料すらまともに与えず、暇さえあれば食らいつく事だけを考えている』と露骨に不満を述べている」と現地の雰囲気を伝えた。