最近、北朝鮮では平壌の大学に通っている子どもがいる家庭で悩みが尽きない。 「社会主義建設動員令」によって建設現場に投入された大学生は、「金がなければ体で支払う」との論理がまかり通っているからだ。
親戚訪問で訪中を行っている平安道のAさんは8日、デイリーNKに対し「10万戸建設現場、平壌市内や周辺道路の建設現場などで大学生が投入された。現在、平壌の大学では、博士や秀才以外の学生を除く全学生が建設現場に動員された」と伝えた。
デイリーNKは、6月中旬頃から平壌の大学や比較的規模の大きな地方大学に「社会主義建設動員令」が下され、大学生が様々な大規模な工事現場に投入されていると報じている。
Aさんは「月100ドルを大学に納めれば動員を免除される。幹部や商売が成功した家庭では、(建設現場動員)まのがれたと聞いている」と述べた。
現在、1ドルの為替レートは2500〜2700ウォン(北朝鮮ウォン)水準。25万〜27万ウォンを大学に提出すれば、建設現場に動員されずに勉強できるわけだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面現在、北朝鮮の市場では米1キロが2100ウォン台で取り引きされており、約米120キロ分の金額に相当する。貨幣改革によって資金が尽きた大多数の家庭にとっては、大きな負担に違いない。
Aさんによれば、大学生の動員期間は各大学が指定された建設現場の完成までであるという。しかし、経済難による原料・資材の不足などで工事の進展が遅く、大学生の動員期間がいつまで続くかも不明だという。
Aさんは「建設現場に動員された学生は勉強も出来ず、およそ1年間は動員されると奄ウれている。現在、住民らは、『2年制大学は3年、4年制大学は5年通わなければならない』と皮肉っている」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面このため、金銭的に余裕がない家庭では、建設現場に動員された子供を心配しているという。 Aさんは「貧しい家の親は、1年間の追加負担をどうやって払えばいいのかと大騒ぎだ」と雰囲気を伝えた。
加えて、建設現場に動員期間中の寝食は自主解決しなければならず、動員期間が長引くほどに学生らの負担は高まるばかりである。