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北朝鮮が中国に合同軍事訓練を提案したという一部の報道が波紋を呼んでいる。仮に、北朝鮮の提案が現実となるなら、朝鮮半島を取り巻く軍備競争など軍事的危機はより高まる可能性があるからだ。しかし、中朝両国の合同訓練は、国際的に大きな反発があることは自明であり、実現性は低いというのが外交専門家の見方だ。

日本の東京新聞は、北朝鮮が7日、中国に両国の海軍訓練などの合同軍事演習を提案したが、中国が断ったと報道した。この報道に対して統一部当局者は、「米軍が西海側に入ってくることを防ぐために、北朝鮮が中国に連合訓練を提案する可能性はあるが、両国は基本的に政治、経済だけでなく軍事的に支持および協力していることから、中朝関係を誇示する性格の軍事演習の必要はないだろう」と話す。

中朝間での軍事交流は既に活発であり、あえて合同訓練を提案する理由がないとのことだ。「中朝間の軍事演習によって北朝鮮は、米韓からより孤立することにもなる。全体的な流れから見ると合同軍事演習を提案した可能性は低い」と付け加えた。

しかし、後継過程のなかで体制危機論が大きくなっている北朝鮮が、中国との軍事的同盟を強化する意味合いでの提案の可能性があるとの見方もある。両国間の合同軍事演習は、今まで一度も行われたことがない。

また、天安艦・延坪島事件以後、活発になっている米韓合同演習を牽制する意味での、軍事演習の提案との分析もある。「核実験」「天安艦」「延坪島砲撃」で、国際社会の孤立が深刻化している北朝鮮としては、中国の軍事的支援を通じた体制安全保障を狙う可能性もある。

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キム・ジンム国防研究院研究委員は、デイリーNKとの電話インタビューで「合同演習の提案が事実なら、金正日の立場として米韓合同演習に正面から対抗することになる。核実験をはじめ、天安艦・延坪島挑発に対して中国が北朝鮮擁護の放棄を防止し、長期的な支援者として束縛する意図がある」と分析した。

しかし、仮に北朝鮮が提案をしたとしても、中国の立場では受け入れられないというのが専門家の大まかな見解だ。また、東京新聞も『米韓に対する牽制』という北朝鮮の意図を読み取った中国が断ったと報道している。中国は、北朝鮮への軍事的支援が軍事挑発につながる可能性があることから慎重な姿勢であることも分かった。

1980年代末まで、中国は北朝鮮に軍事的に支援してきたが、1990年代中頃からは、直接的な軍事的支援を中断し、経済を中心に支援をしてきた。ただし、北朝鮮の武器部品や修理に対する支援は現在も続いている。

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この間、北朝鮮は中国に軍事的支援を要請しているが、中国はそれに応えていない。金正日が昨年5月の訪中時に、相手の電子戦能力をマヒさせることができる戦闘爆撃機約30機とPHL-03放射砲などを胡錦濤・国家主席に要請したが拒否されたと伝えられている。

これについてキム研究委員は、「中国が米韓を刺激するような北朝鮮との軍事訓練を行わないだろう。中国が望むのは朝鮮半島情勢の安定であり、不必要な緊張を招くような合同軍事演習はしないだろう」と指摘した。