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北朝鮮で先月、金日成政治大学の講座長が殺害される事件が起きたが、これに対して金正恩が直接指示を出したという。本紙の消息筋は、「今月15日まで捜査期間を延長し、『講座長殺害事件』の関連者を全部逮捕し厳罰しろとの青年大将(金正恩氏)の指示が降りてきた」と伝えた。

北朝鮮当局は、今回の事件を、先月24日に実施された人民会議代議員地方選挙を妨害するためのスパイ・不純分子の仕業と断定。捜査を両江道(リャンガンド)全地域に拡大しているとのことだ。また、金正恩が、国境地帯の検閲を直接指揮していることから、両江道をはじめとする境界地域の監視・検閲・統制はより一層強化されると予想される。

北朝鮮捜査当局は事件直後、中央検察機関から派遣された幹部をリーダーに国家保衛部と保衛司令部員で特別捜査隊を組織して捜査。今回の捜査で78人が逮捕、71人が指名手配されているという。逮捕された78人中の32人は教化所に送られ、46人は裁判中だという。

処罰される人数の多さから見ると、今回の捜査は殺人事件に関する捜査というより、脱北や密輸などの違法行為に関する検閲に引っかかったようだ。事実、今回逮捕されたり、逃走中の人々は大多数が脱北者がいる家族や脱北ブローカー達だと伝えられた。

捜査当局は先月26日に、捜査結果を中央に報告したが、『8月15日まで逃亡者71人を全員逮捕し、厳罰に処すべき』との金正恩の指示が降りたと消息筋は言う。

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「当局は、今回の事件を『スパイ、不純分子が人民会議地方選挙を邪魔するために犯した』と住民に伝えている。中央から、今回の事件に対して幹部クラスが派遣され捜査を指揮している」と伝えた。

捜査は、両江道全地域に拡大、検閲も強化され住民の不満も高まっている。捜査されている71人も、中朝国境を越えたと見られ、保衛・安全員達も「どうやって捕まえるのか」と愚痴を漏らしているとのことだ。

金日成政治大学講座長殺人事件とは、6月末に白頭山(ペクトゥサン)調査のため両江道、恵山市にいた金日成政治大学講座長が行方不明になり、4日後に鴨緑江で死体として発見された事件だ。

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講座長は、高等教育機関や幹部養成機関で講座事業の責任を負う教員のことだ。殺害された講座長は北朝鮮人民軍少将クラスだという。亡くなった講座長は、金銭と旅行証明書、身分証、携帯電話などすべての所有物が、持ち去られていたこともわかり、金品目的の単純強盗だったと推定されている。