北朝鮮住民の間で、韓国の歴史ドラマが人気を博しているという。2000年代中頃、北朝鮮で大人気だった『大長今(チャングムの誓い)』に続く歴史ドラマ・ブームだ。
平壌在住の消息筋は1日、「最近は、韓国の歴史ドラマを見る人も増えた。『善徳女王』『風の国』『大祚榮(テジョヨン)』『推奴 (チュノ)』などが人気だ」と伝えてきた。ドラマの影響で『善徳女王』のコ・ヒョンジョン、『大祚榮』のチェ・スジョン、『推奴 』のチャン・ヒョクなどドラマに出演する主人公にも人気が集まっているとのことだ。
消息筋は、「朝鮮(北朝鮮)の歴史について知らない人が多いせいか、歴史を正しく知ろうと歴史ドラマを求める人が多い。北朝鮮当局は歴史を捏造する。何が真実で、何がウモネのかをきちんと知るためにも買い求める」
特に、大学生などの外部情報に敏感な若い層が、歴史ドラマにハマるという。消息筋は、「幹部の家子供が、買い求めて、勉強しているようだ」と伝えた。
『推奴 』や『善徳女王』などは、1、2年前に韓国で放映された。最近の北朝鮮では、韓国で放映されたドラマがDVDを通じてリアルタイムで流入しているが、過去の人気ドラマもまた広がっている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面歴史ドラマは流行やトレンドとは関係ないことから長いスパンで親しまれるようだ。
一方、北朝鮮当局は韓流ドラマや韓流映画が録画されたDVD流通への取り締まりを強化しているとのことだ。この間、当局の取り締まり逃れて、韓流ドラマの『レンタルDVD店』もこっそりと運営されていたが、処罰が厳しくてレンタルを敬遠するという。
別の平壌在住の消息筋によると、「2ヶ月前から『非社会主義』捜査が厳しくなって、市場では韓流DVDはレンタルも売買も出来ない。個人で所有しているドラマや映画などを金を出して借りて見たりしている」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面韓流DVDに対する取り締まりの強化は、これらのドラマが住民の反体制現象に影響を及ぼしかねないと北朝鮮当局が判断しているからだろう。
事実、北朝鮮は昨年の党代表者会直後に発表した幹部用文書を通じて「腐敗した資本主義思想文化が社会生活全般に浸透し、我々の固有の民族性を蝕んでいる。『不純録画物(韓流ドラマなどの外部映像)』を流布させる現象が現れないよう強力に闘争しなければならない」と強調している。