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北朝鮮で5~12日に開催された朝鮮労働党第8回大会では、党規約の改正が行われた。

第1章「党員」のうち、入党手続きと方法について定めた第3条で、候補党員(見習い)の期間を1年から2年に延長し、「3年以上党員の義務を果たしていない党員は除名する」との内容の第8条を新設した。

北朝鮮で社会的な地位を上昇させるためには入党が欠かせないが、それを巡ってワイロが飛び交ったり、推薦書と引き換えに性上納を強いたり、或いは党員になってから権力を乱用するなど、様々な弊害が指摘されていたが、その対応として入党のハードルが上げられたものと思われる。

(参考記事:北朝鮮軍を蝕む女性兵士への「マダラス」と呼ばれる性上納強要

しかし、その弊害が今回の改定でかえってひどくなるとの声が相次いで上がっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

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両江道(リャンガンド)の食料品工場で働いている情報筋は、規約改正を報じる朝鮮労働党機関紙・労働新聞を読んで、苦笑いしたという。

「候補党員として党への忠誠心を認めてもらうための2年間に、党に上納すべき忠誠の資金をきちんと納めなければ、候補党員の資格を剥奪するということに違いない」(情報筋)

入党の推薦を受けた者は、候補党員になる審査を受ける前、審査を担当する党幹部にワイロを渡すのは必須で、候補党員になれても正党員になるまで「忠誠の資金」と呼ばれる外貨を上納する。それ以外にも、(旧正月などの)祝日ごとに党幹部にワイロを渡さなければならない。

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朝鮮労働党という巨大な利益集団を、最底辺で支え続けている候補党員だが、その期間が伸ばされると、候補党員の数が増え、その分吸い上げられる資金が増えるという「増収策」ということだ。

去年、候補党員に選ばれた人々が強い不満を抱くのは当然のことだ。彼らはもちろん、一般住民も加勢して「改正された党規約はワイロをもっと絞り建てる浅知恵」だと一斉に非難している。

一方、平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は「3年以上党員の義務を果たしていない党員は除名する」という条項が新設された背景について次のように説明した。

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「改正された党規約に党員の義務が特に指摘されたのは、現在ほとんどの党員が商売をして党幹部にワイロを渡し、毎週行われる党生活総和はもちろん、党が行う講演会に参加しない。そのような党生活のサボタージュがまん延し、党の機能が弱体化したからだ」

党生活とは、職場に出勤して労働新聞を読む会に出席し、最高指導者の肖像画を磨き、週数回の政治講演会や、土曜日に丸一日行われる政治学習などに参加し、毎日の生活総和(総括)を行なうことを指す。また、収入の2%を党費として収める。

そんなことを真面目にしていては、生きていくための商売をする時間がなくなるため、多くの党員が幹部にワイロを掴ませて出席扱いにしてもらうというわけだが、改正された規約通りなら、出党(除名)対象となる。しかし、効果はなさそうだ。

「出党が怖いからと、商売をやめて党生活を熱心に行うようなバカはいない」(情報筋)

結局、出党を避けるためのワイロの相場が上がることは火を見るより明らかで、党員は口々に、党員の懐からカネを搾り取るのが党規約改正の目的だと非難している。

金正恩総書記の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長(当時)は昨年9月、全国党委員会細胞組織(末端組織)の入党条件を強化するための細かい指針を下している。入党候補者の思想と党への忠誠心を徹底して検証すると同時に、入党保証人のうち、出党処分を受けた党員が5人を超えたら処罰されることになっているが、その規定の強化も指示した。

今回の党規約改正は、その指示が下された後で全国的に行われた実態調査に基づいたものと思われるが、現場からはさっそく異論が噴出しているということだ。

また、すでに低下しつつある党員の社会的地位がさらに低下するとの見方も可能だ。面倒な党生活やワイロ上納を強いられるのに、生活面で規制が多く、党員になるために費やす時間と費用に見合った利益が得られいからだ。

(参考記事:北朝鮮軍、入党規則を厳格にするもさほど反発は起きず

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