人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

人民保安部傘下の機動巡察隊員だった脱北者は、北朝鮮が中国からデモ鎮圧装備を購入したという一部マスコミの報道について、「北朝鮮が催涙弾などのデモ鎮圧装備を中国から購入するなんて、とんでもない話だ。北朝鮮内部での騒擾は時期尚早であり、騒擾が起きたとすれば実弾で鎮圧する」と断言した。

この脱北者は21日、デイリーNKとの通話で「国家が個人の商人を介して、デモ鎮圧用装備を購入すること自体も可笑しな話。催涙弾などの軍需品をどうやって個人が扱うことができるか」と疑問を浮?オた。

元保衛部員の脱北者(2011年入国)も「警察に相当する人民保安部を北朝鮮では内務軍と呼んでいる。内部を取り締まる軍隊という意味だ。デモが起これば、容赦なく撃ち殺すであろう。催涙弾で警告などはしない」と述べた。

特殊部隊の出身の脱北者は、旅団規模の特殊部隊(1200人)には騒擾事態に対応するための鎮圧訓練を受けた一個大隊(350人)が運用されていると証言した。騒擾事態には、軍が直接投入されるという説明だ。

「北朝鮮での騒擾は、中国やリビアなどとは性格が違う。何の絡垂烽ネしに住宅を戦車で押しつぶした黄海北道松林事件(1998年)を見ればわかるように、催涙弾などで鎮圧するのではなく、撃ち殺す」と言った。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

続いて「この大隊は、常に鎮圧訓練と戦闘態勢を整えている。有事の際に、敵の後方をかく乱する訓練を受ける他の大隊とは異なり、内部の騒擾事態に備えて軍服務をしている。騒擾事態には保安所も動員されるが、まずは武装した軍人が投入されるだろう」と予想した。

「特殊部隊などが投入されれば、その場で射殺される。騒擾を反政府活動とみなす北朝鮮では、反逆者の烙印を押し付けて最後まで追跡し処罰する」と付け加えた。

また、鎮圧装備の購入は、「デモ発生がいつ起こるかわからない」という可能性を認めているわけだが、北朝鮮体制の性格上、これは可能ではないという主張も提起された。首領は無誤謬であるとの認識を持つ北朝鮮が、政権の失政が原因で住民の不満が爆発する事態の発生は、認める事が出来ないからだ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

元保衛部員の脱北者は、「当局はデモを無慈悲に鎮圧し、反共和国敵対勢力が蠢動したなど、米帝国主義者や南朝鮮の支援を受けたスパイの仕業と宣伝するだろう」と話した。

「中間幹部らも、金正日にデモが発生したと、報告は出来ない。デモ発生は、首領(金正日)を侮辱する事になるので、何があっても不可能」と断言した。

一方、騒擾鎮圧を目的として昨年に人民保安部傘下の各道の保安局に創設された特殊機動隊は、現在まで騒擾を想定した日常的な鎮圧訓練を受けていない事が明らかになった。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

両江道の消息筋は、「ウィヨン鋼鉄工場の前の敷地に、特殊機動隊の為の建物が建てられた。約500人の隊員は戦闘用偽装服を着用し、3人1組にバイクが支給された。部隊にはヘリコプター着陸場まで作ったが、(ヘリコプター)まだ見ていない」と話した。

「彼らは自動小銃を装備しており、人々が大変恐れている。デモ鎮圧が目的で創設されたが、実際にそんなことは起きない為、密輸や商人を相手に金儲けをしている」と説明した。

続いて「創設当時、保安所の政治学校の卒業生と既存の巡察隊から機動隊が構成された。不足人員は新たに入隊する人員で補充されたが、特別機動隊に入るために賄賂を渡すなど、熾烈な競争が行われた」と説明した。