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北朝鮮当局は、脱北者、麻薬、密輸、外部情報流入の取り締まりに力を入れているが、それ以外にも多くの「非社会主義検閲(以下非社検閲)」が進められている。

90年代初頭から続く代表的な「非社検閲」は、密造酒、虚礼虚式、森林破壊、服装の乱れ(特に女性)、自然保護、賭博、勤務怠慢など数多い。

一言で表すと、金正日体制に少しでも危害になる生活様式には「非社会主義」というレッテルを貼り取り締まる。

◆密造酒商売

密造酒の製造と販売は、お酒が米を浪費するだけでなく酒文化を助長して社会主義の道徳を乱すという理由で取り締まられる。当局は、住民に「密造酒が食糧難をさらに助長する」と教養しつつ、一般家庭での酒の密造と市場での販売を厳しく統制した。

家宅捜索があれば、住民は台所の床やタンスなどにお酒を隠す。抜き打ち検閲があれば全て押収される。めざとい住民は、あらかじめ保衛員や検閲員に酒やタバコなどのワイロを与えて「危機」から逃れる。

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当局と住民の「イタチごっこ」は、現在進行形だ。住民にとって、密造酒は貴重な生計手段であり、こっそりと造って売る。例えば、現在1キロ700ウォンのトウモロコシ10キロで、約10キロの酒を造れる。これを売れば、トウモロコシ20キロが買える。酒を作るトウモロコシは残しておいて、それ以外のトウモロコシでまた食糧を購入する。

◆虚礼虚式

北朝鮮当局は、冠婚葬祭の簡素化を強調している。結婚式では、「一輪の花に祝いの思いを込めることが社会主義の生活様式にふさわしい高尚な姿」と宣伝、教養する。特に、苦難の行軍の時期には強調された。

当局の価値基準で派手な結婚式が行われたという噂があれば、さっそく検閲が入って、その家庭の収入と支出を比較され「派手な結婚式」の資金について問い詰められる。そればかりか、結婚式を祝った客や周辺住民まで調査される。取り締まりを受けると、該当組織に批判書を作成して思想批判を受けなければならない。

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ある脱北者は、「2009年に大きな結婚式を挙げた家に検閲が入った。検閲員は「隣りの結婚式で、どれぐらいの食べ物と酒が浪費されたのか知らないか?」と問い詰めていた」と話した。しかし、最近では、特権階級にとって、結婚式をはじめとする冠婚葬祭は、「富」と「権力」の象徴になっており、ほとんど取り締まりは行われていない。

◆森林破壊

1990年代中頃、住民は食糧不足を補うために山を無断で開墾して、トウモロコシ、ジャガイモなどを植え、多くの山が「はげ山」となり、時には山火事や洪水も発生した。このことから山での農作業も取り締まりの対象になる。場合によっては、「教化所」行きになる場合もある。

しかし、しばらくして取り締まりが落ち着けば、住民たちはまた山を開墾する。肥料がなく、既存の土地では農作物がうまく育たないためだ。北朝鮮で森林疲弊の悪循環が続く理由でもある。

◆服装の乱れ(女性)

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2000年代初頭には、女性の身なりには制約が多かった。女性には、スカートを身につけることを強要し、ズボンをはく場合ははグレーや黒色のみが許容された。ヘア・スタイルも短かめのパーマや短いヘア・スタイルを強要した。しかし、最近、朝鮮中央テレビのアナウンサーのヘア・スタイルが変わったように、長いパーマとストレート・ヘアーも流行している。スキニー・ジーンズが流行し、イヤリングや指輪なども必需品だ。派手なイヤリングは、もちろん取り締まりの対象だが果敢にも(?)チャレンジする女性が増えているという。

◆トランプ賭博

企業所や工場はまともに稼動していないので、ワイロを職場に出せば、出勤しなくてもいいので、男性たちは余った時間に賭博をする。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、「どうせ出勤しても何ももらえないのだから、出勤する必要はない。 1ヶ月に1万5000ウォン〜2万ウォンを職場に出して、出勤をせずに商売をすれば、儲けることができるし、空いた時間に賭けもできる。トランプ賭博は保安員も国境警備隊の軍人もしている」と伝えた。

情報筋によれば、賭博は急激に増えているとのことだ。出勤しなくてもいい場合、暇な時間を持てあまり、トランプ賭博にハマるとのことだ。本来なら取り締まる立場の保安員も一緒に参加するので、仮に見つかってもワイロで解決できる。

もちろん、ワイロ自体も「非社会主義」の取り締まりの対象だ。しかし、検閲員までもがワイロで生活することは日常的であり、金正日、金正恩の名で大々的に検閲が行われる場合を除けば、事実上は取り締まられない。