「撮影厳禁」北朝鮮 ”美貌のウェイトレス”たちの欲求不満な日々

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かつて、中国国内に100ヶ所とも言われる店舗数を誇った北朝鮮レストラン(北レス)。遼寧省最大都市の瀋陽や、川越しに北朝鮮を望める丹東では、北レスの隣が北レスというほど店舗が密集していた。

その状況が一変したのは、2016年2月のことだ。韓国の朴槿恵政権(当時)は、北レスの収入が核開発やミサイル開発に使われる可能性があるとして、自国の観光客に利用自粛を呼びかけた。上客を失ったところに追い打ちをかけたのは、北朝鮮企業との合弁事業を禁じる内容を含む2017年9月の国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議だ。

泣きっ面に蜂で、新型コロナウイルスの感染拡大で客が激減、廃業、休業を余儀なくされる北レスが相次いだ。お先真っ暗だった北レス業界に、ようやく光が差し始めた。

(参考記事:途方に暮れる美人ウェイトレス…北朝鮮レストランが廃業の危機

閉鎖を余儀なくなされていた北レスだが、中国国内のコロナ感染が落ち着きを見せ、観光業が復活したことを受けて、北朝鮮当局が現場に営業再開を指示したのだ。

デイリーNKの中国の情報筋によると、再開した北レスには客が戻りつつある。感染が広がっていた2〜3月の客は1日1〜2人だったが、今では時間帯によりテーブルの半分が埋まるほどまで回復した。それに伴い、夜のステージも再開、規模の大きい店では1日2回公演を行っているという。また、防疫指針の緩和で、マスクを付けていない従業員も増えた。

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その一方で、店内での情報管理は非常に厳しくなっている。かつて、女性従業員の公演の撮影をしようとすると、やんわりと断る程度だったのが、今では何回撮影したか確認した上で画像削除を指示し、きちんと消したかを監視するほどになっている。また、従業員と客の個人的な会話も禁止だ。

(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発

その理由について別の情報筋は、レストランのオーナーが、国連安保理の制裁に過敏になっていることを指摘した。

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「丹東にあるレストランのほとんどの中国人ビジネスマンが経営に参加している形態の中朝合弁企業だ。対北朝鮮制裁にもかかわらず、北朝鮮の労働者を雇用してレストランを営業していることがメディアで取り上げられると問題になる可能性がある。そのため、従業員が以前よりも徹底的に写真撮影を封じ込めている」

従業員らは、正式な就労ビザを持って働いているのではなく、技能実習制度や大学生のインターン制度、短期滞在ビザなどを使って、「正式な労働者」ではない形で中国で働いており、中国当局も黙認していると言われている。

(参考記事:「技能実習制度」を悪用し労働者を中国に派遣する北朝鮮

北朝鮮当局は、中国国内のコロナ感染状況が落ち着いたことを受けて、海外駐在の貿易関係者に「積極的に外貨を確保せよ」という指示を下したと言われている。北レスは料理の値段を上げ、従業員に客に料理以外の商品の販売を厳しく強いている。

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例えば、従業員が客に贈る花束は700元(約1万1000円)で買わされる。食事の値段は5割増しとなった。

「これまでコロナのためにお金を儲けられなかったので、短期間で外貨を稼ごうという戦略とみられる」(情報筋)

また、丹東で最大級の北レス「柳京食堂」は、個室を使って食事と従業員の公演を楽しむには、少なくとも1人あたり200元(約3180円)の料金を取るようになった。丹東の物価レベルを考えると、かなりの贅沢だ。

働いている立場の従業員は、現状に不満をいだいていると情報筋は伝えている。コロナ前は、ある程度自由な外出や、実家への電話が認められたが、今では自由な行動が一切できないからだ。

「当局は、内部のニュースの流出を懸念し、従業員が故郷に電話することまで徹底的に禁止している。閉鎖された環境で一日中仕事ばかりさせられている従業員は、コロナが解決して故郷に帰るのを待っている」

ちなみに、遼寧省政府の発表によると、今月9日の時点で、累積感染者は285人で、治療を受けて受けているのは3人で、極めて少ない。セルビアからフランクフルト経由で4日の瀋陽空港に到着したドイツ人男性1人が、感染していたことが判明するなど、海外からの入国者から感染者が発見されることはあっても、市中感染は発生していない。

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