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最近は、金正日の訪中目的とその意味に対する推測が多い。核交渉のドラマチックな突破口を作る為の歩みや、新たな挑発絡垂ゥ?、中朝の強い連帯感を意味するか、または経済援助獲得の失敗を意味するか。いやいや、北朝鮮のリーダーシップ成功と関連しているのだろうか?

これに対する答えはわからない。ただし、以前の訪問も、北朝鮮の極端な外交方針によって極度の緊張状態がもたらされており、上の推測に対する根拠が全くないわけではない。しかし、良くも悪くもこれから起こることは、北朝鮮の戦略的な動きに沿ったもので、金正日の列車訪中だけが発端になったのではないだろう。

北朝鮮が金正日の訪中を、対南関係の転換点にするとの予想が提起された。カーター元米大統領は今年4月の訪朝後の記者会見で、金正日が李明博大統領との会談を考えているという発言をした。一部の学者は、2000年の金正日訪中後に開催された南北の初首脳会談をその事例として提示した。

しかし、今回は訪中直後から、平壌はソウルとの軍事的接触と通信を無効にすると発表した。北朝鮮・国防委員会は、韓国の反共和国心理戦に対抗し、一切の事情を考慮せずに軍事攻撃を加えると脅迫した。

これは北朝鮮の典型的な宣伝活動ではあるが、朝鮮半島の緊張関係を解消しようとしていた最近の平壌の立場とは相容れない物である。さらに重要なのは、北朝鮮のこのような行動は、韓国や米国から食糧支援を引き出そうとしている自らの努力を危険にさらす事になる。さらに今月1日には、南北対話を断絶するかの如く、韓国の当局者らが南北首脳会談を懇願したかのように、北を賄賂で買収しようとしたという秘密接触の内容を話した。

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北朝鮮が「裏切り者の李明博とは、今後、取引はしない」と宣言することによって、ソウルも平壌との交渉に執着しないだろう。加えて、李明博政権は、この事をきっかけに悪化した南北関係は北朝鮮に原因が有るということを明確にさせ、正当性も得ることになった。

ワシントンも、韓国を脅かす北朝鮮との関係を友好的に継続する理由がなくなった。ロバート・キング米北朝鮮人権特使は、5月末に食糧支援調査団として訪朝したが、ワシントンは具体的な支援の決定を引き伸ばしている状態だ。

訪中期間中、北京は、北朝鮮が建設的で友好的な外交関係の構築に積極的に乗り出しているという印象を与える努力をした。中国メディアは「朝鮮半島の関係を改善し、非核化に向けて努力し、6カ国協議の早期再開を主張する」という金正日の発言を報道した。

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中国には、北朝鮮が6カ国協議再開に前向きであると強調する2つの理由がある。最初は、北朝鮮が好戦的で挑発的では無く、非核化を進め、朝鮮半島の平和維持を指示する中国の立場を表明するため。次に、北朝鮮の好意的な態度を引き出し、米韓が各自の前提条件を捨て、6カ国協議が再開される事を望むからだ。

実際に、北朝鮮は非核化交渉においては、中国の主張よりもはるかに妥協をしなかった。官営メディアの朝鮮中央通信は、中国の胡錦涛・国家主席と金正日が「障害要素を除去する事」がこの地域の非核化に必要だということに合意したと、報じた。

平壌のいう障害要素とは、在韓米軍と米韓同盟、そしてワシントンの対北朝鮮制裁戦略である。また、昨年の韓国への攻撃を謝罪せずに、核兵器保有国認定を受けようとしている。

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前回の訪中時と同様に、今回も自動車や電気機器工場などの経済施設を視察した。中国の温家宝首相は「中国の発展状況を理解し、それを自分たちの(北朝鮮)の発展に活用するための機会を与えることを目的に招待した」と話した。

これらの出来事は、北朝鮮が経済改革を行うだろうとの期待を持たせるが、金正日は2001年、2006年の訪中でも同様に経済視察を行った。しかし、その後も、北朝鮮は経済改革をしていない。

金正日の訪中目的は、食糧・経済援助、兵器支援、後継者金正恩への支持の取り付けと思われる。しかし、報道を見る限り、今回の訪中で得た利益は大きく無いようだ。

しかし、この様な結果が、中朝の関係の悪化や、北京が今後、平壌を積極的に圧迫すると早急な判断はしてはならない。中国は北朝鮮の挑発を心良くは思っていないが、国連安保理で北朝鮮を擁護する姿をみせている。最近では、北朝鮮の不法活動を盛り込んだ国連の対北制裁委員会のレポートの公開を、積極的に防いだ。。中国の高位関係者は、北朝鮮の非核化を圧迫するのではなく、6者会談再開に注力する姿を見せている。

訪中期間中に北京が見せた態度は、慎重に説得を行う事で北朝鮮を変化させようとする中国の指導層の努力を垣間見ることができる。しかし、このようなアプローチが失敗したのはもちろんのこと、より戦略的に北朝鮮問題を解決しようとした国際社会の努力にも致命的な影響を与えた。

成功的とは言えない列車の旅を終えて北朝鮮に戻った金正日は、まさに選択の岐路に立っている。友好的な立場を選択する事も出来るが、新たな挑発を行う可能性も高く、再び北京行きの列車に乗るかもしれない。常に北の次の行動は具体的な実態が掴めず、推測だけが出されている。