韓国に亡命したチョ・ソンギル前駐イタリア北朝鮮大使代理の父が朝鮮労働党の趙然俊(チョ・ヨンジュン)元組織指導部第1副部長であるとする報道を巡り、韓国紙・東亜日報は9日、「事実ではなく、チョ・チュニョン元駐コンゴ大使がソンギル氏の父親だ」とする政府関係者の話を伝えた。
党組織指導部は、北朝鮮の政務と人事を一手に握る同国で最強の権力機関のひとつ。
韓国紙・中央日報は8日、趙然俊氏がチョ・ソンギル氏の父親であることが判明したと報道。同時に、趙然俊氏が昨年8月29日の最高人民会議第14期第2次会議に参加した姿が確認されて以降、北朝鮮メディアの報道に登場しなくなったとしながら、「1937年生まれで今年83歳である趙然俊氏が高齢で引退したかもしれないが、息子の亡命に対する問責を受けた可能性も排除することはできない」とする政府関係者のコメントを紹介した。
これに対し東亜日報は、「(趙然俊氏は)昨年12月の会議にも出席したことがわかっており、(チョ・ソンギル氏の父親であるとの理由で消えたとの見方は)論理的に合わない」とする情報当局者の話をもって否定した。