韓国紙・中央日報は8日、韓国に亡命していたことが明らかになったチョ・ソンギル前駐イタリア北朝鮮大使代理の父親が、朝鮮労働党組織指導部第1副部長などを歴任した趙然俊(チョ・ヨンジュン)であることがわかったと報じた。
同紙によれば、複数の対北朝鮮消息筋がチョ前大使代理の父は趙然俊氏であるとの認識を示し、趙然俊氏は「昨年まで党政治局候補委員を務めるなど北朝鮮内権力序列30位内に入る人物」だったなどと語ったという。
(参考記事:金正恩「過激アンダーウェア」の秘密と失踪外交官の行方)
趙然俊氏は、北朝鮮の政務と人事を一手に掌握する党組織指導部の第1副部長を歴任したほか、2017年から昨年まで党員の思想や規律を点検する党中央委員会検閲委員会委員長を務めた。しかし、昨年8月29日の最高人民会議第14期第2次会議に参加した姿が確認されて以降、北朝鮮メディアの報道に登場しなくなり、12月には検閲委員長からも外された。
同紙によれば、韓国政府関係者はこうした動向を巡り、「1937年生まれで今年83歳である超延俊氏が高齢で引退したかもしれないが、息子の亡命に対する問責を受けた可能性も排除することはできない」と話したという。