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北朝鮮で頻発する中国製の医薬品による副作用。これに対して北朝鮮政府は、該当品目の販売禁止令にとどまらず、「南朝鮮(韓国)の安全企画部(現国家情報院)の仕業だ」と嘘の噂を流して不満を外部に反らそうとしている。

デイリーNKの北朝鮮内部情報筋は、中国から入って来る化学調味料に虫が湧いたり、香腸(ソーセージ)を食べて食中毒にかかるなどの事故が頻発し、政府は年中行事のように販売禁止令を出していると伝えた。病人が数人出たら、防疫所から係官がやってきて大騒ぎになるという。

情報筋は「北朝鮮の人々は、中国製の医薬品をあまり信じない。飲んでもあまり効果がないからだが、飲んで逆に病気がひどくなった人までいる」とも伝えた。

北朝鮮に中国製の医薬品が輸入されるようになったのは、1980年代に中朝国境地域で担ぎ屋を営む人が増えてからだ。当初は、効果のない不良品が問題になったが、1990年代からは医療事故が多発するようになった。

北朝鮮では、中国産の医薬品による人命事故がよくおきる。北朝鮮に中国産の医薬品が最初に輸入されたのは、80年代に中朝国境地域で風呂敷き包み商売が活発になってからだ。例えば、中国製の風邪薬を飲んで、胃に穴が空いて死亡する事故が各地で同時多発したこともあった。

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韓国の対北朝鮮支援団体「良き友」は最近の機関誌で、新義州(シニジュ)の市場で密かに流通している中国製の薬を服用して、死亡する事件が相次いで発生した、5日に24歳の男子学生が頭痛を訴え、市場で中国産の薬を買って飲んだ後、間もなく死亡した」と伝えた。

相次ぐ事故に対して当局は、こんな手で不満を反らせている。

「こういうことが発生したら、お上(政府)は南朝鮮の安全企画部が中国人にカネを払って、商品や医薬品に薬を混ぜていると、国民に吹聴する」(情報筋)

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何も知らない北朝鮮国民は、こんな話を信じてしまうのだという。

中国から北朝鮮に輸入される食料品や医薬品は、その多くが安価なもので、原料に問題がある可能性がある。また、流通過程の非衛生的な管理も病気の元となるようだ。

1980年代前後に多く輸入されていたのは「鹿胎」、つまり鹿の胎盤から抽出したプラセンタの加工品で人気を博したが、不良品が輸入されることも増加した。事故が起こるたびに北朝鮮政府は「韓国の安全企画部の連中が工作をして、住民を動揺させて、共和国(北朝鮮)を転覆させるために中国製の薬に毒を入れた」との話を流した。

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最近では「中国製の下着に(韓国の工作員が)害虫を入れて人民を苦しめている」という荒唐無稽な話を流したこともあるという。

中国の丹東で北朝鮮と貿易をしている業者は、「商品に欠点があるからと、(北朝鮮政府の流す)安全企画部の工作だと言う嘘に、未だに騙されているのが理解できない」として、北朝鮮に輸出するものは安く仕入れることが多いが、質の悪いものが混じっていて、被害が発生すると実情を語った。