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金正恩の訪中は、金正日の権力世襲への自信と解釈される。内部の後継体制の構築が一段落したという判断に基づき、対外的な歩みを本格化していると思われる。金正日も、父・金日成から後継授業を受けた後、1983年に単独で訪中している。

昨年の党代表者会で事実上の後継者として公式化され、その後は党・軍での人事措置などを通じ、後継体制の構築に拍車をかけてきた。金正日が健在な状態で、後継構築を素早く行う為に、権力の中核機関を真っ先に掌握してきた。

そして住民を対象とした金正恩の「担ぎ上げ」も行われた。現地指導等に同行させメディアに露出し、人民班会議では金正恩の指示を強調し、偶像化作業も突入した。

最近では、麻薬、脱北者問題などの非社会主義の撤廃においても、金正恩を全面に押し出している。

金正日政権は、このように中央党と軍に続き、人民班などの末端組織でも金正恩を後継者であるとのトップダウン式の後継構築を行っている。これに加え、宣伝メディアを動員し金正恩のイメージ向上を図り、金正恩の指示を住民に広く知らしめる事で、次世代の指導者としてのイメージを固めていった。

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今回の金正恩の単独訪中は、内部での後継構築がある程度完結したという、金正日の判断によるものと思われる。健康問題で自信を得た金正日が、血盟国の中国に向け、後継構築の自信感を表す目的と分析される。

韓国では、「米韓関係の円満的な延長」が次期指導者の重要な課題である様に、北朝鮮も中国との良好な関係構築が次世代の支配者の大切なポイントである。

世宗研究所のチャン・ソンジャン南北関係研究室長は、デイリーNKとの通話で「今回の訪中は、後継の構築が新たな段階に突入した事を意味する。国内的には公式化され党代表者会で後継構築も宣言しており、対外的に金正恩の後継体制の支持と承認を受け取る段階に入った」と述べた。

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「住民の支持率を引き上げるための動きとも思われる。今回の訪中を通じて獲得する経済支援の規模次第で、金正恩の支持率も大きく変わるだろう」と述べた。