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北朝鮮は今年5月、警察庁に当たる人民保安省の名称を社会安全省に変更した。この名称は、1998年から2010年まで使われていたもので、人民保安部を経て2016年に人民保安省に変更されていた。

(参考記事:北朝鮮の警察機関が「社会安全省」に名称変更

日本で役所の名前が変わるとなれば、カメラのフラッシュを浴びながら大臣が新しい看板をかけかえる、と言ったセレモニーが行われるところだろうが、北朝鮮では名称変更から2ヶ月経って、ようやく看板がかけかえられた模様だ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、清津(チョンジン)市など道内の各市、郡の保安署(警察署)が今月中旬になってようやく、「安全部」という新しい名称が書かれた看板にかけかえたと伝えた。

これに伴い、様々な名称が変更された。県警本部にあたる咸鏡北道保安局は咸鏡北道安全局、市や郡の下の行政単位である邑、洞、里に置かれた保安所(派出所に相当)は分駐所に変更された。また、警察官にあたる保安員の名称も安全員に、人民保安省傘下の準軍事組織・人民内務軍の名称も、社会安全軍へと変更された。

ちなみに、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は先月28日の「社会主義建設の当面目標」という記事で、すでに「社会安全軍」という名称を使用している。

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名称は変わったが、変わらないものも多い。例えば安全員が着ている制服は、保安員時代のものと同じままだ。今後変更されるかも今の時点では不明だ。

また、安全局には麻薬課、国境監察課、交通運輸課、山林課、経理課など25の部署があるが、これらの名称もそのままだ。ただし、他地域の安全局については変更があったどうかわかっていない。

もう一つ変わっていないものがある。安全部を見る北朝鮮国民の目だ。庶民に横柄な態度で接し、何かに付けてワイロをせびろうとする安全員は悪徳警察そのもので、名前が変わっただけでは何も変わらないだろうと見られている。

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一方で、上部からは「党と大衆を分離させる行為」、つまり、民心を失うようなことをすれば厳罰に処すると指示が繰り返されていることから、ワイロの要求も以前ほどは露骨に行われなくなっているとのことだ。

しかし、ほとぼりが冷めれば、また以前のように庶民をいびるようになるだろう。

(参考記事:濡れ衣の女性に性暴行も…悪徳警察官「報復殺人」で70人死亡