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新型コロナウイルスの感染防止のため、教化所(刑務所)の面会を全面中止していた北朝鮮当局が、故金日成主席の命日(7月8日)に際して今月末まで受刑者家族の訪問を許可する措置を講じたことがわかった。

デイリーNKの現地情報筋によれば、社会安全省(警察庁)教化局は6日、全国の教化所に対し「首領様(金日成氏)の逝去日を迎え、金正恩同志が伝染病で止められた面会を許可された」との通達を下した。

北朝鮮の教化所では従来、受刑者と家族の面会が3カ月に1回、許可されていた。しかし当局は伝染病対策の一環として、2月中旬から受刑者面会のための旅行証の発行を中止した。旅行証とは、居住地から他地方に行くのに必要な一種の国内用パスポートだ。これがなければ事実上、家族は面会に行くことができない。

また、2月末からは家族から受刑者への食べ物の差し入れも全面中止されたという。現在の北朝鮮において、最も食べ物に困っているのは軍の末端兵士と教化所の受刑者たちだ。彼らは家族からの差し入れが無ければ飢えるしかない。それでも兵士はドロボーに化けることもできるが、受刑者たちはそれさえ出来ない。

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こうした事態を受け、教化所で受刑者の「大量餓死」の発生が懸念されていたが、ここへ来てようやく、金正恩氏の「温情」が示されたというわけだ。

ただ、今回も受刑者と家族の対面は許可されておらず、出来るのは1年分の「差し入れ」を、教化所に預けることだけだという。果たして、そういった方法で受刑者が生き延びることができるのか、また、これまでに受刑者の餓死が起きたかどうかについて、情報筋は言及していない。