チョン選手の故郷は黄海南道海州だが、金正日の配慮で家族全員が平壌で暮らすようになった。北朝鮮住民はチョン選手について「うまくチャンスをものにした女性だ。一言のコメントで最高人民会議代議員と平壌の生活まで手に入れた」と羨望した。
チョン選手の場合のように『一言のコメント』で英雄になった人もいれば、英雄になるチャンスを逃した人もいる。
北朝鮮軍の間ではよく知られているエピソードだが、1980年代半ばに北朝鮮軍のある飛行士が落下訓練の際に装備不良でパラシュートが開かず800mの上空から落下した。幸いにも足に怪我を負っただけで命は無事で済んだ。
訓練の実態を報告を受けていた金日成がこの事情を知り、人民武力部の幹部を部隊に派遣した。幹部は「高い上空から落ちたが、どうやって助かったのか?驚くべき体力だ」と彼を褒め称えた。
しかし、その兵士は「天命だ。天が助けたのだ」とだけ短く答えた。このため、彼は批判を受けることになった。「金日成同志の主体戦法に沿った訓練をしたから生きていられた」と話していたら−。
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