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北朝鮮国民を監視し、統治するために強権をふるっているのが日本の警察にあたる社会安全省、そして泣く子も黙る秘密警察「保衛部(国家保衛省)」だ。

国民の一挙手一投足を監視、少しでもおかしな動きを見せれば徹底的に弾圧する。そればかりか、膨大な権限を利用して、国民を脅迫し財産をむしり取り、ときには命すら奪う、世界最悪の人権侵害国家と呼ばれる北朝鮮を象徴する組織だ。

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そんな保衛部ですら頭の上がらない組織がある。そのひとつが、韓国にターゲットを絞って工作活動を行う朝鮮労働党11課と呼ばれる組織だ。「11課対象」と言えば、工作員とその家族を指し、北朝鮮では特権層扱いだ。

そんな11課を面白くないと思っていた保衛部が、逆襲に乗り出した。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

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逆襲のターゲットとなったのは、50代女性のファンさん。夫が11課対象工作員であることを利用して、清津でヤミ両替商を営んできた。

当局は今年4月、深刻化する外貨不足の打開のために、17年ぶりに公債を発行。同時に、外貨で公債を買わせるため、ほかでは外貨の使用を禁止する措置を取り、ヤミ両替商を取り締まる方針を示した。そして、命令に反してヤミ両替を行った人たちが次々に摘発されている。

(参考記事:「奪われるなら全て燃やす」国家に“反逆”した北朝鮮女性の末路

そもそもヤミ両替は違法行為だが、保衛部や保安署(警察署)と関係を築き、ワイロを納めることで見逃してもらえる。しかし、ファンさんの場合は11課対象なので、そのような「手続き」を踏まずにおおっぴらにヤミ両替商を営んでいたようだ。バックがバックだけあって、保衛部も手を出せずにいた。

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それを苦々しく思っていた保衛部は、意地でもネタをつかんでギャフンと言わせようと3年以上に渡ってファンさんの監視を続けてきた。一般市民になりすまして接近、両替を持ちかけて、家に上がり込むなどヤミ両替の現場を押さえようとしたが、空気を読むのに長けたファンさんは取り引きを避けるなどして、摘発を逃れていた。

先月になってようやくチャンスが訪れた。ファンさんと長年に渡って米ドルの取り引きを行ってきた清津連絡所(対日工作担当部署)の職員が、貿易機関の関係者と共にファンさんの自宅に向かったが、張り込み中だった保衛員がそれを発見し、家に踏み込んだ。

家宅捜索の結果、室内のタンスから米ドル札と北朝鮮ウォン札の詰まったバッグ2個が発見された。保衛員は「南朝鮮(韓国)の安全規格部(現国家情報院)の黒いカネじゃないか」「ヤミ両替などしているくせに保衛部をバカにしやがる」「傲慢だ」などと、口々にファンさんを罵りながら逮捕したという。

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これは、11課と国家保衛省の間で長年続いてきたにらみ合いの結果だ。

どちらも上部から重要視され、優遇されている組織だが、11課は保衛部のむちゃくちゃなやり方に不満を抱いていた。一方で、保衛部も「11課対象だと言って党の方針を無視して自分勝手にやってもいいのか」と不満を抱いていた。

そしてついに保衛部が長年の悲願を達成したわけだが、それでも「かすり傷」を負わせたに過ぎない。11課の方が地位が上で、保衛部はファンさんをどうすることもできないだろうというのが、現地での見方だ。

嫌われ者の保衛部がコケにされるような事件が起きると、一般庶民は大喜びするものだが、今回は相手も決して好かれるような振る舞いをしていたわけではない。情報筋は今のところ、清津市民の反応を伝えていない。

(参考記事:「前科者から英雄が出た」反権力殺人に喝さい送る北朝鮮国民

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