北朝鮮自由連合と自由北朝鮮運動連合のメンバーが臨津閣前で対北朝鮮ビラを20万枚、米1ドル紙幣を1000枚、ラジオ、DVDなどを入れた大型ビニール風船、計10個を北朝鮮へ向かって飛ばした。

風船には『ラジオ』『1ドル紙幣』『ジャスミン革命と金正男、金正哲の豪華な海外生活を魔ｭビラ』『金正日と父子と北朝鮮指導部の実体を迄IするDVD』などが含まれる。

行事は、参加者と近隣住民との衝突を避けるために動員された約180人の警官に囲まれる中、進められた。

ショルテ代表は、風船を飛ばす前に「対北朝鮮ビラを飛ばすこの運動なしに、今開催されている北朝鮮自由週間の意味はない。金正日は、体制を維持させるために国内住民の情報流入を統制している。ビラを飛ばすことは住民達に真実を知らせることだ」と訴えた。

「北朝鮮は、ミサイルで私たちを威嚇する。私たちは対北朝鮮ビラという真実と情報で対抗する。風船を飛ばすことに反対する人々もいる。しかし、食糧が支援されていても北朝鮮では餓死する人々がいる真実を知らせなければならない」と指摘した。

北朝鮮自由連合のローウェル・ダイ（Lowell Dye）氏は、「北朝鮮に自由を芽生えさせるためにも（風船飛ばしのような)すべき事がたくさんある。行動こそが北朝鮮に自由を芽生えさせるだろう。この場に集まった一人一人が（行動に反対する）人々を、丁寧に説得すれば力を合わせて動くことができる」と話した。

行事前に心配された地域住民との衝突は起こらなかった。しかし、民主労働党と平和統一社の会員をはじめとする新北朝鮮関係のメンバーは近辺で『風船飛ばしを中断しろ』と訴えるデモを行い、小競り合いがあった。

彼らは「対北朝鮮風船は、南北と韓国内の葛藤を助長する行為ですぐに中断すべきだ。また北朝鮮人権法は国家保安法に次ぐ悪法だ。ここから風船を飛ばしても、韓国内に落ちる。ただの政治的ショーに過ぎない」と主張した。

一方、臨津閣周辺で商売をする人々は、行事に対して不安の表情を見せている。北朝鮮が「対北ビラ」に対してビラが飛ばされる臨津閣を『直接射撃』『全面射撃』すると『威嚇』しているからだ。

臨津閣で観光商品の販売を営むパク某氏は、デイリーNKの取材に「ここの住民にとって大切なのは生活だ。対北朝鮮ビラが飛ばされ騒々しくなると翌日には観光客も減る。そろそろ観光シーズンが来るのに客が減るかどうかが心配だ」と話した。

臨津閣のキップ売場の職員は、「観光客は予定通りに見物をするので特に客が減った様子はないが、あんなふうに対北朝鮮風船を飛ばしていると影響があるかも。やめてほしい」とビラを飛ばすことに否定的な意見だった。

しかし、本社の取材時には、不安や『威嚇』の心配があるにもかかわらず、臨津閣周辺は普段同様に外国人や学生などの観光客でにぎわっていた。