「金正恩の右手首に手術痕か」米報道…韓国は否定的も根拠示さず

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韓国の青瓦台(大統領府)高官は3日、記者団に対し、北朝鮮の金正恩党委員長が心血管系の手術を受けた可能性があると米国のメディアが報じたことについて「(政府として)手術は受けていないと判断している」と否定した。しかし、こうした判断には「根拠がある」としながらも、それが何であるかは示していない。

重体説や死亡説までが飛び交っていた金正恩氏は2日、北朝鮮メディアによって工場竣工式出席の様子が伝えられ、健在が確認された。それでも、同氏が何らかの健康不安を抱えている可能性は消えていない。

米国拠点の北朝鮮専門のニュースサイト・NKニュースは同日、朝鮮中央テレビが報じた、5月1日の順川(スンチョン)燐酸肥料工場竣工式と4月11日の朝鮮労働党政治局会議での金正恩氏の映像を比較。前者では、金正恩氏の右手首に小さな傷跡のようなものが見られるのに対し、後者では確認できないことを指摘した。

(参考記事:【写真】金正恩氏の手首に「手術痕」…健康不安は事実か

NKニュースはこれについて、医療専門家のコメントとして、心血管の手術と関連したものである可能性があると伝えている。網状の金属製筒(ステント)などを使って狭くなったり詰まったりしている冠動脈を広げるステント手術は、手首や足の付け根などの動脈から細い管を挿入する方法で行われるからだ。

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そもそも今回、金正恩氏の健康異常説を最初に指摘したのは、4月20日付の韓国デイリーNKの報道だった。デイリーNKは、北朝鮮の金正恩党委員長が手術を受けたがその後の経過は良好だと伝え、翌日に米CNNが重体説を報じて以降、金正恩氏の健康状態を巡る噂や憶測が飛び交うに至ったのだ。

金正恩氏の登場で重体説は消えたわけだが、NKニュースの報道はデイリーNKの指摘を裏付けているようにも見える。だからこそ、韓国政府も敏感に反応したのだろう。

ちなみに、韓国紙・中央日報(日本語版)は4月24日付で、かつて北朝鮮の病院で勤務し、その後に脱北した医師であるチェ・ジョンフン氏の「ステント手術は北朝鮮でも可能」で「平壌(ピョンヤン)と一部の道級人民病院に蛍光透視装備が用意」されており、「北朝鮮の医療スタッフもステント挿入程度は行うことができる」とするコメントを紹介している。

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また、韓国を代表する病院のひとつ、世宗病院心血管センターのチャン・ホジュン課長は同紙に対し、「脚を通じたステント手術は6時間後から動くことができ、手首を通じたものの場合、手術直後から歩行に問題がない」と説明している。

だとすれば、金正恩氏が20日間にわたり雲隠れしたのは、何か他に理由があったのだろうか。再登場した同氏の歩き方に変化があるとも指摘されているが、それとの関わりも注目される。