「専用機が緊急着陸」金正恩が平壌に帰れなかった危険な理由

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北朝鮮の朝鮮中央通信は2日、金正恩党委員長が1日、平安南道(ピョンアンナムド)の順川で肥料工場の竣工式に出席したと報じた。金正恩氏の公開活動が伝えられるのは20日ぶりだ。この間、韓国のデイリーNKが4月20日、北朝鮮の金正恩党委員長が手術を受けたがその後の経過は良好だと伝え、翌日に米CNNが重体説を報じて以降、金正恩氏の健康状態を巡る噂や憶測が飛び交っていた。

パーティー狂いで

金正恩氏の身に「異変」が起きたことを疑わせた要素のひとつが、4月15日に同氏が錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を参拝したと発表されていないことだ。同氏はこれまで毎年、祖父・金日成主席の生誕記念日であるこの日に同宮殿を参拝し、北朝鮮メディアがその事実を報道してきた。

しかし実際のところ、金正恩氏が慣例を破り、同宮殿を参拝しなかったことは過去にもあった。同氏は毎年、7月8月の祖父の命日にも参拝してきたのに、2018年には参拝報道が出ていないのだ。

このとき、金正恩氏の身に何が起きたのか。韓国の国家情報院(国情院)は以前、金正恩氏について「パーティー狂いで不摂生」であるなどとして、健康不安説を報告していた。そういったこともあり、金正恩氏の動静には敏感にならざるを得ない。

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結論から言えば、金正恩氏の専用機に問題が生じ、その影響で日程に狂いが出たようなのだ。

金正恩氏はこのとき、韓国の文在寅大統領に自ら提案した南北統一バスケットボール大会(4~5日・平壌)にも顔を出さず、6~7日に訪朝したポンペオ米国務長官とも会っていない。ただ、北朝鮮側はバスケ選手団を引率して訪朝した韓国高官に対し、金正恩氏は「地方視察中だ」と説明。結局、7月10日に両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)郡を視察したことが報道され、金正恩氏の無事は確認された。

祖父から始まる「白頭の血統」を最高指導者としての正統性の拠り所とする金正恩氏が、地方視察を優先して命日の参拝を注視するとは――意外に思っていたら、もっと驚くべき情報が飛び込んできた。

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金正恩氏の専用機が同年の7月初め、両江道の恵山(ヘサン)飛行場に緊急着陸していたというのだ。デイリーNKによれば、恵山地域の住民が「いきなり白い飛行機が上空から降りてきたと思ったら、携帯電話と有線通信網がすべてつながらなくなった」と証言したという。専用機は、金正恩氏を乗せて三池淵飛行場に向かう途中、何らかの危険な状況に陥った可能性があるのだ。

このとき参拝を中止したのは、緊急着陸がスケジュールに影響を与えたからだろう。

金正恩氏の専用機「チャンメ1」号は1980年代に旧ソ連から導入されたもので、老朽化が指摘されている。シンガポールでの米朝首脳会談に際しては、金正恩氏は中国から提供された要人専用機で現地入りした。

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金正恩氏は今回、当時より長期間にわたり雲隠れした。その理由は定かではないが、健康問題以外にも、金正恩氏が参拝を中止せざるを得なくなる状況が生じ得るということだ。