苦しみぬいた女性は自ら火を放ち…金正恩「コロナ封鎖」に庶民が反発

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北朝鮮の感染症対策当局のトップ、保健省国家衛生検閲院長のパク・ミョンス氏は1日、平壌で外信のインタビューに応じ、「今までわが国(北朝鮮)国内で新型コロナウイルス感染者は誰一人としていない」と述べたとAFP、共同通信などが報じている。

一方で時事通信は、北朝鮮消息筋の話として、感染によるとみられる死者が260人以上に達したと報じた。また、北朝鮮軍のデイリーNK内部情報筋によると、軍医局は先月3日、1〜2月に180人が死亡し、3700人を隔離しているとの情報を最高司令部に報告したという。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は隔離された人の数は報じているものの、新型コロナウイルス感染者とは明言していない。しかし、日本以上に生活支援策を欠いた北朝鮮のコロナ対策は、国民の暮らしを蝕み、犯罪の多発を招いている。

(参考記事:北朝鮮、新型コロナ警戒で2280人が隔離状態

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、先月に会寧(フェリョン)で発生した衝撃的な事件について語った。

会寧に住んでいた50代女性は、清津(チョンジン)と会寧を行き来しつつ、生活必需品を市場で売り、生計を立てていた。ところが、当局は新型コロナウイルスの拡散防止と称して国内移動に厳しい制限をかけるようになった。

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清津に行けなくなり、生活が成り立たなくなった彼女は強く反発し、司法当局に「思想闘争対象」に指定されてしまった。つまり、厳しい批判にさらされたということだが、激しい侮辱の言葉をぶつけられただけではなく、暴力まで振るわれた。家では借金取りが待ち構えており、返済を迫った。

そして、女性は怒りのあまり自宅に火を放ち、亡くなった。

当局は「事件のことは話すな」と箝口令を強いたが、気の毒な事情に加え、彼女には軍に入隊した息子がいたことで市民の間に同情が広がる一方で、「いくらもがいても食べていけない環境が彼女を死に追いやった」と間接的に当局を批判している。

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しかし、金正恩体制がこうした批判を顧みる気配はない。北朝鮮は、新型コロナウイルスの拡散は「国家存亡の危機」と捉えている。北朝鮮の権力層にとっては国民の生命よりも体制の安定が最優先であり、国家が危機を迎えるたび、国民を犠牲にしながら打開を図ってきた。

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