北朝鮮の刑務所で大量死か…新型コロナで「究極の選択」

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新型コロナウイルスについては、閉鎖された空間に数多くの人が集まったことで、感染が拡大した事例が数多く報告されている。その典型例が、韓国での爆発的な感染拡大の原因となった新興宗教「新天地」だ。屋内で数千人が床に座り詰めた状態で行う礼拝形式に問題があるとの指摘だ。

人が密集した閉鎖空間という点では、刑務所も同じだ。韓国慶尚北道の青松刑務所では刑務官の感染が確認されている。この刑務官は後に、新天地の信徒であることが判明した。また、大邱刑務所でも刑務官が、慶尚北道の金泉刑務所では同じ房を使っていた受刑者4人のうち、3人の感染が確認された。

韓国法務省は、感染が確認される前の先月24日から、大邱と慶尚北道の刑務所および拘置所での面会を中止している。同様の措置は「新型コロナウイルス感染者は発生していない」と言い張っている北朝鮮でも行われているが、これが別の意味で受刑者らの命の危険を招いている。家族などとの面会が事実上、不可能になり、栄養不足や虐待など劣悪な環境下にある受刑者らが、大量餓死の危機に直面しているのだ。

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平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、北朝鮮当局が伝染病対策の一環として、先月中旬から受刑者面会のための旅行証を発行を中止していると伝えた。この旅行証とは、他地方に行くのに必要な一種の国内用パスポートだ。

(参考記事:北朝鮮でも休校命令、3月末まで冬休み延長

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平城(ピョンソン)在住のある住民は、先月中旬に道内の价川(ケチョン)教化所(刑務所)に収監されている息子の面会に行こうと旅行証を申請したが、不許可となった。4月中旬まで発行はできないという。情報筋は別の人の話として、別の目的で申請して旅行証を得て、教化所に行ったものの面会が認められなかったと伝えている。

当局は面会のみならず、通常なら認められる案件でも旅行証を発行せず、検問所での規制を強化しているため、他の地方に行くことそのものが非常に困難な状態となっている。

北朝鮮の受刑者とその家族にとって、面会禁止は「会えなくて寂しい」というレベルのものではない。

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情報筋によれば、保安署の2部(旅行証発行担当)の保安員(警察官)の話として、受刑者家族にも面会禁止が通知されたという。その理由として保安員が挙げたのは「普段から栄養状態が悪く、免疫の弱い受刑者がウイルスに接触するとあっという間に大量死につながるかもしれない」というものだ。

しかし、北朝鮮の教化所は衛生状態が非常に劣悪なことに加え、食事がまともに配給されない。そのため、家族が面会に行って食べ物を差し入れしなければ餓死してしまいかねない状況にあるのだ。

実際、虐待行為が横行している咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)にある全巨里(チョンゴリ)教化所に収監された経験を持つ脱北者のリさんは「2010年代初頭には、週に1回家族が来て、持ってきた差し入れでなんとか生き延びた人が多かった」と証言した。リさんは「教化所では、すでに多くの人が亡くなった可能性がある」と懸念を示した。つまり面会を許すかどうかは、受刑者を新型コロナウイルスによる肺炎で死なせるか、栄養失調で死なせるかの「究極の選択」に近いものがあるということだ。

(参考記事:金正日命令で「健康な人も廃人に」北朝鮮刑務所の実態

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ちなみに、食べ物の差し入れは禁止されているが、現金や消毒用の酢に関しては認められるとのことだ。しかし、差し入れ用の品物は、教化所内のコンビニで高値で購入せざるを得ない。

(参考記事:お客から恐喝して荒稼ぎする北朝鮮「恐怖のコンビニ」

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