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7日、北朝鮮で開催された最高人民会議で後継者の金正恩は国防委員会委員に選出されず、その背景に注目されている。

この間、対北朝鮮専門家は国防委員会の次元でも後継体制を確立させるために、金正恩が空席になっている国防委第一委員長に選出されると見られてきた。

しかし、金正恩は国防委に選出されず、軍需産業を専門担当してきた全秉浩(チョン・ビョンホ)が国防委員を解任され、朴道春(パク・ドチュン)党書記が後任委員として選出された。

金正恩が選出されなかったことに対して専門家は、北朝鮮が後継構築の速度を調節しているという分析をしている。これは、金正恩後継体制構築が、この間の金正日の健康問題によって急速に進められただけに、より安定的に権力を委譲させるための措置だという見方だ。

同時に、権力の世襲過程で経験が乏しく若い金正恩が指導力を発揮できない場合には、内部のパワー・エリートを掌握出来ないという観測も提起されている。

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ユ・ホヨル高麗大北朝鮮学科教授は、デイリーNKとの電話インタビューで「後継構築の速度を調節する意図があるようだ。現時点では、金正日が金正恩をサポートしながら、後継告}を安定的に進めるという、いわば気持ちをなだめているかのようだ」と分析。

ユ教授は引き続き「パワー・エリート層が後継体制に不満を表すことは難しい。とはいえ、金正恩後継体制を素直に受け入れることも困難な状況のようだ。金正日には忠誠を尽くすが、まだ、金正恩に傾く雰囲気ではないだろう」と付け加えた。

チョン・ヒョンジュン統一研究院選任研究委員も「金正日の健康問題が好転したので、金正日の政体制をベースにした後継体制の強化方向に向かうだろう」と見通した。

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チョン研究委員は「金正恩後継体制を構築するには時間が必要だ。しかし、急速に進められる場合、内部的に不安を引き起こす。金正日が安定的に後継体制を構築しようとするだろう」と分析する。

キム・ヨンス国防大教授は「今回、金正恩が選出されなかったのは、内部的に後継体制を強行するのが順調ではない状況を見せている」と解釈した。

これと共に、慢性的な経済難で人民の生活難がより悪化している状況で、権力を委譲するスピードを調節して人民生活の改善を強調しながら内部の取り締まりに集中するという観測も提起される。事実、今回の最高人民会議では人民生活改善のための軽工業発展が再度強調されている。

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北朝鮮メディアは6日、金正日が金正恩を同行させて慈江道(チャガンド)精練所、および鴨緑江(アムノッカン)のタイヤ工場を現地指導する様子を報道した。

キム教授は「最高人民会議の前日に金正日が金正恩を引き連れて経済視察したことを北朝鮮メディアが報道するのは、昼夜を通して人民経済問題の怪傑に向けて努力しているというポーズを見せることだろう」と分析した。

しかし、専門家達は北朝鮮が来年の『2012年強盛大国の門を開ける』というスローガンを掲げているだけに、今年末や来年には金正恩がが国防委に選出されると予想する。

また「後継者を継承できる党規約を事前に作ったことから、金正恩が国防委まで選出されると見られるが、時期的に今年の下半期なのか来年なのかは金正日が見極めるようだ」とも言われている。

韓国統一部は「金正日が欠席で金正恩の後継者として地位を強化させる措置が成り立たなかった。今後の状況によっては、最高人民会議の追加開催や国防委員会別途決定等を通じて(金正恩に)職務を付与するかもしれない」と分析した。

一部では、金正恩が国防委員に選出されなかったが、経済的な実績を積むために中国を訪問する可能性があるという観測もある。

チョン研究委員は「金正恩が人民生活の改善と強盛大国建設など経済的な実績を積むために、中国を訪問する可能性は高い」と展望した。ユ教授も「金正恩の訪中が延期される可能性もあるが、北朝鮮と中国の党対党、すなわち党中央軍事委員会副委員長としての立場で非公式に訪中することもあり得る」と予想した。