そんな中、金正恩党委員長は昨年3月に開かれた朝鮮人民軍第5回中隊長、中隊政治指導員大会で、刃のように硬い軍紀を徹底して確立し、組織性と規律性を強化せよとの指示を下した。それをきっかけに、綱紀粛正と不正行為の調査、摘発が行われるようになった。
(参考記事:金正恩氏「核」言及なしか…北朝鮮で軍中隊長・政治指導員大会)この兵士は不運なことに、取り締まりで内縁の妻がいることが発覚してしまった。そして、除隊を2ヶ月後に控えた昨年10月に出党、つまり党からの除籍処分を受けてしまったのだ。
(参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命)
それ以前は慣行として黙認されてきた、除隊を前にした兵士の恋愛、同棲についても取り締まりの対象となった。さらに、規律を破れば10年の苦労も水の泡となることを思い知らせるために、彼が見せしめにされてしまったようなのだ。