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北朝鮮・平安南道(ピョンアンナムド)の山間部にある陽徳(ヤンドク)郡と新陽(シニャン)郡では先月14日から16日にかけて、500ミリ近い大雨が降った。

在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙・朝鮮新報は7日、水害により死者549人、行方不明者295人、負傷者3043人が発生し、1万6667棟の住宅、2万3974ヘクタールの田畑、202本の橋に被害が発生したと報じた。

韓国の対北朝鮮支援団体の「良き友」の機関誌は、陽徳郡の中心地で5階建てマンション18棟が崩壊するなど、3000棟の住宅が壊れ、家を失った被災者が9000人に達し、生き残った人より死んだ人のほうが2倍多いとの噂が流れていると伝えた。

被災者は、国からの支援物資でなんとか耐えしのいでいるが、寝具や衣類も失った。ちょうどジャガイモと果物の旬とあって、近隣の農場でそれらを取って飢えを凌ぐ人もいるが、それもいつまで持つかわからない状況だ。

陽徳郡鳳渓里(ポンゲリ)にある朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の部隊では、山崩れが兵舎を襲い、中隊120人全員が生き埋めになり亡くなった。これが親に伝われば騒ぎになることを恐れた当局は、被害の実態をできるだけ少なく伝えている。

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水害で数十万ヘクタールの田畑が流出したことから、農業の収穫にも期待できなくなり、軍に納める軍糧米の確保にも支障が生じそうだ。金正日総書記は「来年度の軍糧米保証事業を軍部隊独自で予備を確保することについて」という最高司令官命令を下している。

一方、智水(チス)駅付近を走行中だった平壌発清津(チョンジン)行きの列車と、新義州(シニジュ)発清津行きの列車が、橋梁の流出により1ヶ月半に渡って立ち往生し、乗客のうち90人が餓死した。当局はこのことが伝わらないよう隠蔽を図ったが、遺族を通じて話が広がっているという。

脱北者の証言によると、陽徳では1997年12月中旬、平壌発クムコル行きの第3列車が、停電で4日間に渡り立ち往生した。車輪が見えなくなるほどの積雪に見舞われた上に、車内の暖房が止まり、老人や子どもなど30人が餓死または凍死した。