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北朝鮮社会でかなり前から窃盗が日常化している。社会的な規律を支える党と法機関員の不正腐敗も蔓延している。北朝鮮の行政システムのマヒは幹部の不正腐敗から始まった側面が非常に大きい。

『党職員は堂々と、保衛員は見られなように、安全員は安全に食べる』という噂がもう昔話だ。彼らが非社会主義検閲で得た押収物を密輸業者に転売することはもはや日常茶飯事だ。このように社会的な規律が崩れているなかで『最後の砦』で見なされた軍ですら戦時物資が奪われたという事実は北朝鮮社会の亀裂が軍にまで広がっていることを示唆する。

今回の事件は反体制的な性格ではないが、北朝鮮当局への住民の大胆な挑戦が実行される可能性を見せている。慢性的な経済難のなか、日々の激しい生存闘争を行っている北朝鮮住民の挑戦が、いつでも公権力に向かうかもしれないことを見せ、波紋は小さくない。