北朝鮮の新義州(シニジュ)と鴨緑江を挟んで向かい合う中国の丹東からは、金正恩党委員長がぶち上げたメガプロジェクト「新義州市建設総計画」の工事が進められている様子がよく見える。2022年4月15日の太陽節、つまり金日成主席生誕110周年に向けて工事が進められている。

デイリーNKの対北朝鮮情報筋が撮影した画像には、川べりに立つ丸いシルエットの建物の工事が行われている様子が写っている。また、夜間にも照明を使って工事を行っているようだ。

北朝鮮の新義州で工事が進められている丸い建物の昼間(左)と夜間(右)の様子(画像:デイリーNK情報筋)
北朝鮮の新義州で工事が進められている丸い建物の昼間(左)と夜間(右)の様子(画像:デイリーNK情報筋)

現地を訪れた韓国東亜大学のカン・ドンワン教授は、自身のFacebookに工事中の建物の画像を掲載し、「秋夕(チュソク、旧盆)の間じゅう、あそこ(新義州)では夜間工事のために照明と溶接の火花が消えることはなかった」「金正恩の新義州開発指示の後、速度戦で労力動員が行われ、安全装備一つもたずに高層建築の上に危うく立っている」などと書いている。

(参考記事:北朝鮮「倒れた作業員は連れ去られ、戻ってこれない」魔の工事現場

当初、この建物は「民族の太陽」と形容される金日成主席を称えるために丸い形にして、カジノを併設した高級ホテルになると伝えられていたが、自国民のギャンブル問題で頭を痛めている中国政府からの横槍で、工事が一時中断していた。その後、工事は再開されたが、おりからの国際社会の経済制裁による外貨不足で、工事は予定より遅れていると情報筋は伝えた。

(参考記事:北朝鮮のカジノホテル、中国からの抗議で工事中断

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は今年6月6日、この建物紹介する記事を掲載したが、工事現場の画像には「新義州26−8、9、10マンション全景図」と書かれている、このことから、建物の用途をホテルからマンションに変更したものと思われれる。中国政府の横やりが、変更に影響をもたらした可能性がある。

    関連記事