北朝鮮の北部地方(両江道、咸鏡道)を中心に、住民の間で金正日次の権力は張氏が握るという噂が広がっていることが明らかになった。このうわさの震源地は、占い師であるという点が注目されていている。

住民らが話す張氏は、張成沢(チャン・ソンテク)党行政府長であるという。

清津市の消息筋は「最近では、幹部や一般住民が職業、結婚、脱北などを行う時に占い師の助言を参考にして行動している。貨幣改革の影響から当局を信じる事が出来ず、他に情報も無い為、占いに頼って商売の計画を建てるのが流行っている」と話した。

「将軍様の次は張氏という話をした占い師は、格別に当たると奄ウれている為、皆が信じている。住民はいつになれば張氏の世の中が来るのかと待ちわびている」と話した。

北朝鮮住民の間で張成沢の評価は非常に良くない。彼は金正日の信頼を受けているが、住民には国を滅ぼした一番の責任者と評価されている。消息筋は「張成沢は野心家で手段を選ばない為、金正恩が負けてしまうと考えている」と話した。

北朝鮮住民が占いに頼る傾向は、昨今の事ではないと言うのが、内部消息筋や脱北者の共通した証言。

両江道白岩郡のトンゲ労働者区には、10歳の時から周辺の人々の病気や運勢を占って有名になった女性の占い師がいる。今年27歳になるこの女性は、来客の前に誰が何をしにやってくる、何の話をするか等を事前に言い当てるという。

両江道出身の脱北者は「その女性を知っている。泥棒や失踪した家畜なども探し当てる為、こぞって訪れている。彼女には夜中しか会えないのだが、夕方になると幹部らが彼女を連れ出し、病人の厄払いを行わせるので、時間がないからだ」と述べた。

この女性が有名になった後、当局は一時、迷信行為の取り締まりを行った。保安員がこの女性を迷信を広めた疑惑で逮捕、この女性の父親を鍛練隊に送ろうとした。この時、父親は「娘もやりたくてやっているのでは無い。この仕事をしなければ、体中が痛くて死にそうな為、仕方なくやっているのだ」と抗議をしたという。

保安所に捕えられた後、この女性は高熱に苦しめられ生死の境をさまようような姿を見せた。すると保安員は恐れを抱き、釈放したという。

その後、女性はより一層有名になり、幹部らから引っ張りだこになった。10年前の占いの価格は3~500ウォンだった。この当時、米1キロが200ウォンだった。今では3000ウォンに達するという。北朝鮮の最高の職業は占い師と言われるほどである。

北朝鮮は、主体思想以外の宗教、迷信行為を強力に取り締まってきた。占いも内密に活動してきたが、2000年に入ってからからは、事実上公開的に活動をしているという。

過去には住民も迷信行為を相互監視・申告したが、食糧難以降は社会規の律が崩れ、生活苦から迷信行為がますます広がっているという。