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リビアの民主化デモが重大な局面を迎えている。軍隊の初期鎮圧で流血沙汰になり、300人以上の死亡者が発生したが、デモはベンガジから首都トリポリ、海岸都市に広がっている。リビア第2の都市ベンガジは都市統制権がデモ隊に移ったと分かった。

事態が悪化すると即座にカダフィの次男アルイスラム カダフィは、国営TV演説を通じて、軍隊による流血鎮圧を謝罪し、憲法とメディア法を民主的に改正すると明らかにした。 このような宥和措置と並行してデモが拡散する場合、親-反政府勢力間の内戦に発展する可能性もある。

リビア政府はエジプトとの違いを強調している。専門家らもエジプトよりリビアが権力独占と全体主義的な性格がはるかに強いと話す。韓国外国語大のソ・ジョンミン教授は「リビアは韓国の60年代の維新独裁(朴正煕)と、北朝鮮の中間レベルと思われる」と話した。

リビアと北朝鮮は類似点が多い。したがってカダフィ体制が崩れるならば、北朝鮮に及ぶ影響も少なくないものと見られる。チュニジア、エジプトに続きカダフィの42年独裁政治の崩壊は、特に、北朝鮮の幹部を揺さぶる可能性がある。

金正日は、1980年代末の東欧の旧社会主義圏崩壊を衛星TVを通じて見守ったという。この当時、朝鮮中央通信の海外言論担当者らは真っ先に金正日への忠誠の誓いの手紙を書くほど危機感が漂った。

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リビアの政府形態は、カダフィ革命指導者が中心制(北朝鮮は首領唯一体制)となっている。カダフィは1969年9月に革命指導者に就任、現在では国家首班となっている。エジプトは大統領制で、6年ごとに大統領選挙を行うのと大きな違いある。教授は「カダフィはアラブ独裁国家中でも、最も絶対的な権力を誇っている」と話した。

権力世襲を推進している点も北朝鮮と似ている。 カダフィは次男と4男のどちらかへの権力世襲を考慮しているという。

また、統治哲学を集大成したグリーンブック思想 (Green Book) に基づいた独特の統治理論を打ち出した。憲法の代わりにイスラム律法と社会主義、そしてカダフィ大佐が強調する人民直接民主主義を統治手段としている。

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人民直接民主主義は国民が直接参加する地方人民会議が、地方の自治局である書記局を構成し、地方人民会議代表が中央全人民会議に参加する形態。人民会議代浮轤ヘ、カダフィを忠誠する人物で満たされている、 北朝鮮の最高人民会議と性格が似ている。

リビアは国内総生産の30%、輸出の90%を占めている石油産業を国有制で運営している。天然ガスも同じだ。2003年までは生活必需品を政府が供給した。最近では市場経済要素を導入するための、変化を模索中だ。

独裁体制の為、アラブ社会主義者同盟以外の政党の設立は許されていない。すべての報道機関は政府が管掌するが、反政府指向のラジオ放送もある。

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また、総意会とアラブ社会主義者同盟、民兵隊を通じて、親政府勢力を強力に構築している。アルイスラム カダフィが内戦を警告した背景には、政府勢力が政権維持のために最後まで戦うという意味が含まれている。

リビアの若い世代もフェイスブックなどのソーシャルサービスを幅広く活用しているが、リビア政府はデモ拡散を憂慮して接続を遮断した。しかし、国民は携帯電話を通じてデモの情報を交換しているという。

北朝鮮は一般住民のインターネットは遮断されているが、エジプトのオスラコム社を通じて3G通信携帯電話サービスを提供している。現在は加入者が30万人を越えた。同社側は北朝鮮住民の90%までに使用者を拡大する計画であり、通話とSMSの利用者も着実に増加していると発表した。

北朝鮮とリビアにも違いはある。リビアは1人当りのGNP(2009年基準)が1万8千4百ドルに達する。インターネットや海外旅行の自由など、情報統制の側面ではリビアは北朝鮮と比較すればはるかに自由だ。核開発を推進していたリビアは、最近になって開発放棄を公式発表した。反米外交路線も修正した。

反政府デモは許されていないが、反政府指向の知識人とイスラム勢力が存在するという点の違いもある。リビアには家族全体に影響を及ぼす政治犯収容所や極端な連座制がない。

北朝鮮体制の類似性を多く持っているリビアまで崩壊すれば、北朝鮮指導部の危機感は大きくなるほかはない。中国で民主化デモが広がるならば、その危機感はより一層大きくなるだろう。金正日・金正恩親子はリビアの民主化デモのニュースの遮断に力を注ぐだろうが、心の片隅では戦々恐々としているだろう。