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4日午後、共同宣言の形で採択した’2007南北首脳宣言’には、今後論争を引き起こしそうな争点が少なくない。韓国国内の10人の専門家が争点を総合的に分析した。

[第3項] NLL問題はどうなるか。

第3項は’軍事的緊張緩和と信頼構築’の問題を明示している。

“南北は西海での偶発的衝突の防止のために、’共同漁労水域’を指定して、この水域を’平和水域’にするための方案と、各種の協力事業に対する軍事的保障措置の問題など、軍事的信頼構築の措置を協議するために、南側の国防部長官と北側の人民武力部長官の会談を今年11月中に開催することにした”と書かれている。

専門家らは”事実上、西海のNLLの再調整議論の開始ことを合意した”と語った。

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南北国防長官会談は、2000年9月に1回開かれ、’西海の衝突防止措置と軍事分界線(MDL)地域での宣伝の中止’など、初歩的水準の信頼構築の基盤を整えた。だが、北側はその後、第2回会談の開催には消極的な態度を一貫してとってきた。

北側は南北将軍級会談が開かれる度に、西海北方境界線(NLL)の再設定を要求してきた。その度に、韓国政府側は国防長官会談で議論するという原論的立場を明らかにしてきた。したがって、国防長官会談の合意は、実は予告された手順だったという指摘もある。

この間、国内ではNLLの再設定に関して、否定的な視覚が優勢だった。したがって、今回の首脳会談で盧武鉉大統領が直接言及するには負担が大きかったと思われる。そのためか、今回の宣言文のどこにも’NLL問題’と明示されていない。

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国策研究所のある専門家は、”北朝鮮はNLLの存在自体を認めないため、NLLという単語を各種の合意文に表記することができない”と説明し、”今回の宣言文も同様”と語った。

これに関し、韓国国防研究院のキム・テウ責任研究委員はデイリーNKとの通話で、”宣言文の3項のどこにも、NLL問題が挙げられなかったが、北朝鮮が今後、国防長官会談で議題にするのは明白だ”と分析した。

また、”そのようになれば、NLLは軍事分界線の意味が弱まる”と述べ、”3項で決定的なのは、’共同漁労水域’や’平和水域’問題を扱うのに先立ち、現軍事分界線を尊重するという前提が必要ということ”と指摘し、”このような前提が抜けたため、今後、かなりの議論があるだろう”と予測した。

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ソン・デャ盗「宗研究所首席研究委員は、”‘軍事的敵対関係の終息と朝鮮半島の平和保障’などが含まれた3項は、あくまでも修辞的語句に過ぎない”と主張した。ャ東、究委員は”こうした合意は’南北基本合意書’に、より詳しく出ている”と述べ、”問題は実際に北朝鮮が合意を履行するかということ”と指摘した。

更に、”共同漁労水域を推進しようとすれば、NLLを中心に’南北同距離・同面積’の原則を適用して、北朝鮮もそれだけ譲歩しなければならない。南側だけ共同漁労水域を受け入れてはならない”と述べ、”国境線の概念であるNLLと、共同漁労水域の問題は別個の問題として扱われなければならない”と明らかにした。

だが、停戦協定には西海の5道だけが記録されており、’ 同距離・同面積’を決めようとしても、どこを基準にするか議論になるはずだ。また、西海5道の周辺海面を新たに決めようとするには、国連の司令部が交渉の主体として出なければならないという問題がある。このため、’平和水域’にするための西海共同漁労問題が争点として浮上すると思われる。

[第4項] 平和体制の構築、合意の実体はあるか。

南北は停戦体制を終息させて、恒久的な平和体制を構築しなければならないと共に認識して、直接係わる3者または4者首脳会談で、‘終戦宣言’を推進することにした。また、9・19共同声明と2・13合意の履行に、共に努力することにした。

これについて専門家らは、“スローガンに止まった貧弱な合意にすぎない”と一蹴する評価と、“平和体制の基礎を整えた”という相反する評価を下した。

平和体制は修辞にすぎないという評価を下した専門家らは、北朝鮮の核問題の進展を期待する国際社会の非難を避けるためのごまかしに止まったと酷評した。具体的な実践内容がないということだ。

キム・テヒョ成均館大教授は、“停戦体制を終息させようということは、今まで北朝鮮が要求してきた内容”であり、“このために3者、4者会談を開こうというのも結局、‘韓国は交渉対象ではない’という既存の立場を繰り返したもの”と評価した。

チェ・ソンz中央大教授も、“核の廃棄に対する具体的な言及がない貧弱な合意だった”と述べ、“結局、今回の首脳会談で北の核廃棄に対して、消極的な姿勢を取ったという事実を如実に現わした宣言だった”と評価した。

チェ教授は“北朝鮮が非核化に対する意志を明らかにしていない状況で、南北朝鮮の首脳が‘9・19共同声明、2・13合意の履行に共同で努力する’と言ったことは、前後が逆である”と述べ、“これはアメリカと足並みがそろわない結果になる可能性がある”と語った。

特に、平和体制構築のためには北朝鮮の非核化が核心事案だが、この部分が明確ではないと専門家たちは指摘した。また、アメリカや中国などの国際社会が関っている平和体制問題を、南北が主導することができるということも、単純な空想にすぎないと分析した。

キム教授は“結局、平和体制に向かうためには、北朝鮮の非核化がどうしても核心手段として作用するだろう”と述べ、“非核化に対する実質的な進展内容が抜けている状況で、平和体制の進展を期待するのは困難だ”と予想した。

国策研究機関のある教授は、‘終戦宣言と非核化のために、共同で努力しよう’という文章について、“単純な宣言にすぎない”と言い、“特に、今回の宣言でアメリカは非核化を前提にしているが、韓国は非核化前にもできると思っているという事実が現われたようだ”と語った。

一方、コ・ユファン東国大教授は、“朝鮮半島の経済の繁栄と平和体制の基礎を整えたと評価する”と述べ、”特に、西海の平和協力特別地帯を醸成することに合意した点も目立つ”と語った。

[第5項] 南北経協は本当に羽ばたくか。

南北朝鮮の経済協力方案に対する具体的な合意事項は溢れ出た。

‘南北首脳宣言’の第5項には、”南と北は民族経済の均衡のとれた発展と共同の繁栄のために、経済協力事業を公利公営と、有無相通の原則で、積極的に活性化して持続的に拡大発展させていくことにした”と書かれている。

南北朝鮮の合意事項はおおまかに、 ▲西海の平和協力特別地帯の開発 ▲開城工団の投資環境の改善 ▲交通インフラ構築 ▲ 朝鮮協力団地の建設 ▲ 経済推進委員会の役割の強化などの5項目に分けることができる。

南北間の合意事項について専門家らは、開城工団に関して、具体的で現実的な合意を引き出したことが成果と評価した。特に、‘3通(通信、通関、通行)’問題や基盤施設の拡充など、南北経協の活性化のために、この間、先決課題として提議されていた問題が大部分含まれたという点も肯定的に見た。

海州地域を中心にした特区の開発は、北朝鮮の開放のための試みではあるが、北朝鮮の核の廃棄の時点に合わせて、長期的に推進しなければならないと評価した。

また、共同漁労区域と漢江河口の開発などは、南北間の軍事的葛藤を引き起こす可能性があるNLL(北方境界線)問題と密接に連携しているため、慎重に接近しなければならないと注文した。経済協力を通じて、平和体制と安保問題まで複合的に解決することができる機会になり得るという意見もあった。

金日成大の教授出身であるチョ・ミョンチョル対外経済政策研究院統一国際協力チーム長は、“宣言文は南と北が互いの特殊性に合うように、各種の優待条件と特恵を優先的に付与するものになっている”と述べ、“北朝鮮が法律的・政策的に特恵を与えると約束したことは、韓国企業の立場から見ればかなり肯定的な結果”と明らかにした。

一方で、“多くのことに合意したが、これを実質的に推進するには、環境が保障されなければならない”と言い、“北朝鮮が核を廃棄することで、テロ支援国の解除など北朝鮮に対する制裁が解除されたら、(大規模な南北経協の)推進が可能だ”と指摘した。

更に、“経済協力は非常に多くの設備が投資されることだから、国際的な環境が改善しなければ成功しない”と述べ、“後続措置として、核廃棄のロードマップがきちんと進まなければならないし、この結果によって、合意事項が攻撃的に推進される可能性も、そうでない可能性もある”と付け加えた。

世宗研究所のチョン・ソンジャン南北韓関係研究室長は、“南と北の要求事項を適切な水準で妥協したようだ”と述べ、“北朝鮮は南北経協の発展にとって大きな障害物だった3通の問題を保障することを約束し、開城工団の第2段階の推進や西海の共同漁労区域などの設定も合意した”と語った。

しかし、“西海岸地域に経済協力地区を形成することは、軍事的緊張緩和を追求するという意味があるため、具体的な合意を見るには長い時間がかかるだろう”と述べ、“北朝鮮を開放するという対北政策の目標を考えると、特区が重要な目標ではあるが、中長期的に見なければならない事案”と強調した。

サムャ東o済研究所のドン・ヨンスン経済安保チーム長は、“一番注目される部分は、開城工団に関して、現実的な部分が合意されたという点”と言い、“西海の経済特区の開発は進行するのに時間がかかると思われる。今すぐ乗り出すのは無理で、次の政府が推進できるように、スケッチだけ作っておいたと見なければならない”と明らかにした。