今月21日、北朝鮮の鉱山でダンプトラックが坂道を逆走する事故が起きた。複数の労働者が巻き込まれて重傷を負ったが、適切な治療が受けられずにいる。現地のデイリーNK内部情報筋によると、事故が起きたのは、咸鏡南道(ハムギョンナムド)端川(タンチョン)市にある北朝鮮最大の亜鉛の産地、検徳(コムドク)鉱山だ。
坂の上に停められていたダンプトラックがブひとりでに逆走を始め、夜間作業を終えたばかりの鉱山労働者の列に突っ込んだ。きちんとブレーキがかけられておらず、車止めをかませていなかったのが原因だ。
北朝鮮の労働現場では、安全対策の欠如による大規模事故が繰り返し起きてきた。
(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故)ムリな工期やノルマの達成を最優先する国家の体質が背景にあるが、金正恩党委員長は最近になり、「安全を重視しろ」と呼び掛けているとも伝えられる。ただ、長く続いてきた悪しき慣行が一朝一夕に変わるはずもなく、現場では相変わらず事故が続発している。