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長引く国際社会の制裁は、北朝鮮の人々を真綿で首を絞めるようにじわじわと苦しめている。それだけに2回目の米朝首脳会談への期待も大きかったが、期待はずれに終わってしまった。

制裁不況の影響を受けているのが、今まで好況を呈してきた北朝鮮のタクシー業界だ。制裁で自動車部品が輸入できず、営業できない車両が増えているというのだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

最近中国を訪れた平壌在住の情報筋によると、平壌では営業中のタクシーの数が目に見えて減ったという。故障した車の修理ができないためだ。ちなみに、平壌市内のタクシー事業を牛耳っているのは、金正恩党委員長の妻、李雪主(リ・ソルチュ)氏の側近だとされている。

(参考記事:金正恩氏が意のままにする「美人妻利権」の現場写真

国連安全保障理事会で2017年12月採択された制裁決議第2397号では、北朝鮮への部品を含めた輸送車両の輸出を禁じている。たとえタクシー用の車両でも例外とはならないため、中国から取り寄せることができないのだ。

現在も営業中の車両のうち、最も古いものは運行開始から4年ほど経っている。中国製の車は一見問題がなくても、部品を頻繁に交換しなければ故障しやすくなる。それができないままに営業を続けたために、故障して動けなくなった車両が続出しているというのだ。このままでは「遠からず平壌のタクシーの運行率は半分程度まで落ちる」(情報筋)状況だ。

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中国丹東の情報筋によると、北朝鮮の地方都市のタクシー業界の状況も似たり寄ったりだ。

新義州(シニジュ)や羅先(ラソン)では、タクシー事業が始まって日が浅いこともあって平壌ほどではないものの、運行率の低下が起こっている。

運行を続けるには部品を中国から密輸するしかないが、一般的な密輸業者が扱うのは高級車の部品で、タクシー車両の部品はほとんど入ってこない。そこで、タクシー会社が目をつけたのは、北朝鮮と中国を行き来するトラックドライバーだ。

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彼らは、正規の輸出品、輸入品を積んで北朝鮮と中国を行き来しているが、同時に密輸の品も隠し持っている。運転席の下から車両の下に至るまで、あらゆる空きスペースを利用して密輸品を運ぶのだ。

そんな彼らに、北朝鮮のタクシー会社から「中国から部品を取り寄せてくれ」との依頼が殺到している。北朝鮮への持ち込みに成功した部品は、言い値で取引される。いかに切羽詰まっているかということだ。

「3月からは北朝鮮に対する制裁が多少緩和され、中国製の部品を取り寄せられるようになるとのうわさが出回っていた。しかし、ベトナムでの米朝首脳会談が決裂したせいで、そんなうわさは消え、北朝鮮に入国するトラックへの税関検査は厳しいままだ」(情報筋)