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事例1:2011年1月1日 咸鏡道に居住するキム・〇〇氏は、新年を迎え新年辞を覚える代わりに、金正日政権を誹謗する文を作成し、これを撮影して外部に送った。彼は自宅で紙に「金正日の犬畜生(※原文ママ)、金正恩?ふざけるな…愛人の息子」と書いた。彼はこれに先立ち、金正日の写真を燃やした。この写真はデイリーNKを通じて公開される予定だ。また、この撮影された写真を貿易商に渡し、中国を通じて韓国に持ち込む事を要求した。

事例2:最近になって南新義州で金正日を誹謗するカラーチラシがまかれた。これは外部で製作された可能性が高い。このビラをばらまいた疑惑で20代の青年が捕まり、保衛部で調査を受けた後に解放された。この青年は中国を自由に往来し、これまでと同じく密貿易を行った。この事件と関連して数人が反体制疑惑をかけられ、保衛部に連行された。調査によって女性1人が死亡したという。また、この青年は保衛部の特務に抱き込まれたという噂が広がった。南新義州では、携帯電話の通話を妨害する為のジャミング装置が追加で設置された。

北朝鮮での金父子の偶像化と住民監視体系は、60年を越える金日成・金正日・金正恩に繋がる封建王朝・独裁権力の統治手段である。現在も金正日政権が住民を統制できるのは、緻密な監視と極端な処罰を通じた恐怖心を誘発させているからだ。

1990年代中盤に大量の餓死者を発生させながらも、大きな体制への挑戦を受けずに乗り切ることが出来たのは、住民が飢死にしながらも「将軍様は健康なのか?」と話すほどに思想的な奴隷であったからだ。対外情報を遮断し、幼稚園の時から偶像化作業を行う事で、人々の意識は首領の奴隷と化してしまった。

西江大のキム・ヨンス教授は、デイリーNKとの通話で「(偶像化教育により)金正日の道徳的な正当性、正統性は(全世界の)どの指導者よりも高い。徹底した教養の為、指導者を盲目的に信じている」と話した。

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しかし、最近では密貿易業者や北に強制送還された脱北者の口コミ、DVDやMP3などを通じ流入する外部情報は、北朝鮮住民の意識を根本的に覆そうとしている。また、2万人に達する韓国に定着した脱北者の存在も、北朝鮮社会を揺るがす潜在的な要因になっている。

キム教授は「現在と20年前の北朝鮮社会を比較すると、社会の雰囲気も大いに変わったが、まだ変化の入り口にいる状態。北朝鮮への情報促進事業の効果が浮黷黷ホ、(ムバラク大統領への退陣運動)エジプトの様な状態が起きると連想出来る」と話した。

金正恩が体制を以前の様に統制を出来ない場合、住民に対する恐怖感の造成は反発感を呼び起こすだろう。住民が現実を直視しているからだ。

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軍隊の忠誠心と徹底した監視も、食糧難に揺れている

1996年の6軍団事件:クーデターの謀議が発覚し6軍団が解散している為、現在はその痕跡を探すことが難しい。しかし、北朝鮮社会への衝撃があまりにも大きかった為、今でも多くの人がこの事件の奄?mっている。

6軍団は清津に司令部を置いており、咸鏡北道を管轄していた。6軍団は3個歩兵師団と4個放射砲旅団、1個砲兵師団からで戦闘部隊で構成していた。兵力の半分は軍団直轄であり、残りの半分は地方軍から補充することになっていた。

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クーデターの計画は、6軍団の政治委員を中心に配下部隊の大隊級の指揮官にまで広がっていた。これに咸鏡北道の郡党責任書記、行政職員、国家安全保衛部、社会安全部(人民保安省)の副部長よりも上の幹部らが大挙加担した。咸鏡北道で反乱を起こし、平壌に進軍、南から韓国軍が南浦と清津に同時に進駐する計画を立てた。しかし、この計画は保衛司令部に捕捉され、一網打尽にされた。この事件で40人余りが処刑、300人余りが処罰された。

北朝鮮は軍部の最上層から末端まで、政治委院、軍責任者、保衛院の3つの部署が互いに牽制する3重の監視網体制を整えている。この他にも、金正日秘書室と連絡を行う通知課が、指揮官を監視し、保衛司令部を通じた体系的な監視と盗聴を行っている。

故・黄長ヨプ・元北朝鮮民主化委員長は「クーデターを行う為には相当な政治的な基盤が必要だが、党組織が軍隊に介入している状態では厳しい。政治のレベルが低い国では軍部が政権を取ることもできるが、今の北朝鮮でこれ程の能力を持った高位軍人はいない」と言い切った。