ベトナムでの米朝首脳会談など核問題(日本にとっては拉致問題)が前面に出ている感のある昨今の北朝鮮情勢だが、実は近年、深刻な食料危機に陥り、国連の関係機関が世界に緊急支援を要請する事態に陥っている。

在平壌のロシア大使館は4日、フェイスブックを通じ、ロシアによる人道支援食料約2000トンを積んだ貨物船が北朝鮮北東部清津の港に到着、先週週末に一部の荷降ろしが行われたことを明らかにした。貨物船は今後、同じ北東部の興南にも寄港し支援食料の積み降ろしを行う予定。

北朝鮮に食料支援を行ってきた国連世界食糧計画(WFP、本部ローマ)の事業の一環で、食料は主に小麦。クッキーや混合食料に加工され子どもや妊婦向けに提供されるという。

国連食糧農業機関(FAO、本部同)が2月に発表した最新報告によると、北朝鮮では過去6年間、記録的な干ばつや洪水などの自然災害に加え、耕作地不足、近代的な農業設備や肥料の欠乏により食料危機が深刻化。毎年100万トン以上の穀物が不足するなど慢性的な食料不足が続いている。

FAOは、同国では現在、人口の43パーセントに当たる1090万人が食料不足に陥る可能性があるほか、5人に1人の子どもが「驚くべき」慢性的な栄養不良状態にあると指摘。日本も含むFAO加盟国に1000万ドル(約11億円)の緊急支援を求めている。

米NBCテレビによると、北朝鮮の金星国連大使も2月、同国の食料不足は深刻化しているとして国際援助団体に早急な支援を求める書簡をまとめた。書簡は国連安全保障理事会による「非人道的な制裁」が大きな要因だと非難した。 (共同通信=太田清)

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