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北朝鮮急変事態に関連する論議が熱い。

韓国政府当局者の間では3代世襲の失敗は必然であり、金正日の不在は早期に北朝鮮急変事態につながる公算が大きいという言葉を公然としている。チョン・ヨンウ外交安保首席は昨年2月に「金正日の死後2〜3年内に北朝鮮は崩壊するだろう(ウィキリークスの迄I)」と話した。私見が混じっている可能性が大きいが、外交安保政策担当者の発言という側面でいうと、示唆することは少なくない。

ウィキリークスの迄I内容によれば、ヒョン・インテク統一部長官は昨年7月にカート・キャンベル東アジア太平洋次官補に「金正日は2015年以後までに生きられないだろう。北朝鮮が突然崩壊する場合、韓国と米国政府は朝鮮半島統一のために速かに動かなければならない」と話した。

姜哲煥(カン・チョラン)北朝鮮民主化戦略センター代表は「北朝鮮は貨幣改革以後、体制を支える力をほぼ失ってしまった。金正日の健康が体制の寿命を左右する可能性が最も大きい」と話す。金永煥(キム・ヨンファン)北朝鮮民主化ネットワーク研究委員は昨年末に朝鮮労働党代表者会の結果分析発表で「北朝鮮が金正恩後継体制下で致命的危機が訪れる可能性が60〜70%程度になると見る」と話した。

北朝鮮を取り巻く対内外環境はすでに危機水準を越えている。続けざまの核実験とミサイル発射実験で国連の対北朝鮮制裁は続き、国際的孤立はより一層深刻化している。最近の金正日体制を唯一支援するのは中国だけだ。対中依存度が高いのは平常時には大きい問題にならないが、北朝鮮体制が危機に直面する場合、中国の支援は強い変化要求を伴う可能性が高く、少なくない負担が後に従うことになる。

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2009年の統計庁の基準貿易総額によると、韓国は6,866億ドルである反面、北朝鮮は34億ドルで200倍の差がある。北朝鮮の交易の約90%は中国と韓国に依存している。天安艦事件と延坪島砲撃事件によって韓国との経済協力はより厳しくなっている。さらに国連制裁で北朝鮮の主要輸出品目の大量破壊兵器および不法武器の取り引きは持続的に遮断されている。

韓国との体制競争はすでに終わっている。韓国は1人当り国民所得が2万ドルに近接したが、北朝鮮は1千ドルにも達していない。国内総生産(GDP)の規模は2009年を基準に、韓国が1,063兆590億ウォン、北朝鮮は28兆4,840億ウォンだ。韓国の経済規模が全世界的規模で10位の水準と評価されているが、北朝鮮は最貧国の水準を抜け出せずにいる。

世界競争力分析機関のエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが167ヶ国を対象に2010年度の民主主義の発展レベルを調べる「民主主義指数」で、韓国は10点満点の8.11点で20位だったが、北朝鮮は167位と最下位を記録した。北朝鮮住民も脱北者との連絡や対北朝鮮放送の視聴、韓国のドラマの視聴を通じて、韓国と北朝鮮の生活像をよりダイレクトに比較できることになった。

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北朝鮮住民の経済難に対する苦しみは、当局に対する極度の不信につながった。軍隊でも下級幹部と兵士は慢性的な栄養不足な状態だ。貨幣改革の失敗で、当局にはこれ以上期待出来ないという認識が固まった。

労働党幹部までもが、首領と党に対する「主人意識」と「社会主義」に対する情熱は持っていない。幹部の腐敗は、これ以上公正な行政処理を望めないレベルだ。そして、党幹部は人民を恐喝して軍隊は人民の財産を狙う盗賊団に転落した。

このような内外的危機にもかかわらず、金正日が権力を握っているのは、金正日の権威と権力掌握能力が維持されているからだ。行政、経済、教育、医療システムの崩壊にも体制維持のための監視統制機高ニ処罰は存続している。

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しかし、金正日が2008年の8月に脳卒中で倒れ、その後遺症を見せたことから体制維持に対する疑問は非常に膨らんだ。金正恩への権力世襲を急ぐのは、それだけ金正日が焦っていることを反映している。金正日は後継者に内定し、15年後に公式の職位を占めたが、金正恩は、内部教養もわずか2年で大将の軍事称号を受け、軍事委員会副委員長の地位に就いた。

金正日は、権力闘争(叔父の金英柱や継母の金成恵)でもわかる様に、権力に対する執念が深く、権力統制においては政治工学と呼ばれるほどの才狽?揩チている。人民軍において絶対的な影響力を誇った呉 振宇呉(オ・ジヌ)を側近に引き入れた過程が、これをよく示している。
また、人民には神のように支えられた父金日成の下で長期間に及ぶ政治訓練を受けた。彼の後継時期は、北朝鮮も比較的に安定した時期だった。二重三重の監視と暴圧で冷静な性格は、高位幹部に金正日以外の代案を考えられないようにした。

しかし、金正恩は年齢も若く、授業時間が非常に短いだけでなく、没落直前の国家経済と極度に悪化した民心下で権力を委譲されることになる。金正日が権力を掌握するうえで、最高の条件だったとすれば、金正恩は言葉どおり最悪の条件だ。このような状況で金正日が突然死んだ場合、金正恩の政治感覚が優れたとしても北朝鮮の権力内部は非常に複雑な雰囲気になる可能性が高い。

金正恩が権力を完全に掌握できない状態では、金慶喜(キム・ギョンヒ)や張成沢(チャン・ソンテク)、軍の高位幹部と権力を分担して行う可能性も考えられる。この場合、金正恩が徹底して幹部を掌握し、監視すること自体が難しくなる。住民への監視網も弱まらざるを得ない。これが続けば権力が二つの求心を持つことが出来ないという特徴を考慮した時、権力闘争は必然的だ。

2009年1月の米国のオバマ政権樹立に合わせ、米国の外交委員会(Council on Foreign Relations)が作成した北朝鮮の急変事態対応(Papering for Sudden Change in North Korea)報告書では「権力継承レースで権力闘争がどのように展開するのか?そして誰が最終的に最高権力を勝ち取るのかを予測するのは不可能だが、長期化され分裂的であり潜在的には暴力による継承の可能性を排除することはできない」とした。

この報告書は「権力闘争は、闘争当事者らが内部の支持や主要な資源を得るための資金の調達力と統治力、個人のネットワーク、組織能力によって左右されるだろう。特に、人民軍と国家安全保衛部の支援は、潜在的な権力闘争の結果に決定的な影響力を行使するだろう」と主張する。軍部内で派閥が存在するならば、平壌内の競争は極大化するだろうと見ている。

キム・ヨンファン研究委員は「政治は数百種類の可能性があるから、金正恩がむやみに権力を振り回したり、放置するとしても、一時的な混乱期を克服し、それなりに数年を乗り越える事は可能だ。金正恩が政治的危機を克服できない可能性は高いが、これを克服したとしても数年持続するだけで終わる可能性が大きい」と話した。