第2回南北首脳会談を1日後に控え、両江道と咸鏡道全域で、民間最大の住民待避訓練が行われたと、複数の内部消息筋が知らせてきた。
咸鏡道の会寧に住む北朝鮮の内部消息筋は、1日の通話で、”9月30日の夜7時から1日の12時まで、労農赤衛隊や教導隊による非常警報で、住民待避訓練を実施している”と明らかにした。
消息筋によれば、30日午前に当局から突然’訓練を実施しなさい’という緊急指示が下ったという。
北朝鮮が実施する住民待避訓練では、通常赤衛隊と教導隊の非常警報と、捜索・陣地接収、核化学攻撃に備えた住民の山間地帯への待避、民間の火事の訓練と、戦時生産仮想訓練が総合的に行われる。
消息筋は”以前の訓練のようにサイレンを鳴らしたり、放送で知らせることはなく、夕方7時に教導隊は周辺の陣地を占領し、赤衛隊は捜索訓練を実施することになった”と述べ、”住民は燈火管制を実施した後、3日分の食糧(北朝鮮では普通、訓練の時に3日-7日分の食糧を携帯するようにしている)を持って職場や人民班ごとに集合して、指定された場所に向かった” と知らせてきた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面両江道の恵山に住む他の消息筋も、前日の通話で、”両江道では秋夕を1日後に控えた9月23日から24日まで、民間の反航空待避訓練を含めた大々的な待避訓練が行われた”と伝えた。
この消息筋は”すべての家庭で燈火管制を実施して、食糧と最低避難物品のみを携帯したまま、都市から30-40里離れた農村地帯や山に待避する訓練が行われている”と語った。
国内の情報当局は、”まだ訓練の実施について証拠は確認されていないが、可能性は高いだろう”と答えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮は軍の冬季訓練を始める12月や、7月-8月の農閑期に、核や化学戦争に備えて、都市の住民たちが周辺の農村や山間地に避難する待避訓練を実施してきた。だが、首脳会談を控えた9月末と10月初めに、大々的な住民待避訓練を実施したのは、極めて異例な措置であると思われる。
北朝鮮では春の種まき期や、秋の収穫期の農村支援戦闘の期間には、住民待避訓練を実施しないのが慣例だった。咸鏡道や両江道は秋の刈り入れが盛んで、人手が不足しているという。金父子の革命戦跡地が集中している両江道では最近、農村支援のため、’革命戦跡地踏査’も中断している。
会寧の消息筋は思いがけない訓練に、住民も荒てていると伝えた。この消息筋は通話で、“南北首脳会談や6ヶ国協議で何か複雑な事態が発生したのではないか”と聞いてきた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮では、住民待避訓練は普通、軍部隊の訓練と同時に進行される。総合的な核や化学戦に備えた戦争の練習であるため、軍民合同訓練が実施される。今回の訓練に北朝鮮軍が参加しているのかについてはまだ確認されていない。
今回の訓練の実施の背景について、首脳会談と6ヶ国協議の時期がかみ合っており、住民たちが対外関係の改善に対する幻想を持たないようにするための緊張感の醸成のためという解釈もある。
対外関係についての住民教育は講演や、教導隊や赤衛隊の一般的な捜索に止まるのが普通だが、反航空訓練と住民待避訓練まで実施した点には、相変らず疑点が残っている。
対南担当部署に勤めていたある脱北者は、”首脳会談を控えて、密かに大々的な住民待避訓練を実施したのは異例な措置”と述べ、”南朝鮮と首脳会談をすることは、対南戦略のレベルであって、和合のためではなく、相変らず敵対関係であることを示すための行為”と分析した。