北朝鮮の金正日総書記の長男金正男との単独インタビューが28日、東京新聞に掲載された。

金正男は、北朝鮮住民の苦しい生活状況について「消息を聞くと心が痛い。生活が向上しているとは思えない。北朝鮮が安定し、経済回復を成し遂げ、豊かに暮らせるよう願う」と述べたという。

金正恩後継体制に関しては「弟に対する私の純粋な願いだ。弟に挑戦しようとか批判する意味ではない」と説明したが、三代世襲については「中国の毛沢東主席でさえ世襲はなかった。社会主義に合わず、父も反対だった」と明らかにした。

一方「（後継は）国家体制安定のためだったと理解している。北朝鮮の不安定は、周辺の不安定につながる」とも述べた。

延坪島砲撃事件に関しては「交戦地域のイメージを強調し、核保有や軍事優先政治に正当性を持たせようとしている人がいる」と、軍部が主導したことを匂わした。

日朝間の最大懸念事項である日本人拉致事件に関しては「遺憾な問題。今のように議論が平行線では解決は難しい」と述べた。また、拉致被害者とは会ったことはないが、最近拉致被害者に関する情報管理が厳しくなったという。

インタビューは、中国南部の都市で一時間半にわたり行われたという。