人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

アメリカの社会科学院(SSRC)の朝鮮半島専門家、レオン・シガール博士が南北首脳会談と関連し、“盧武鉉大統領は直接核問題を持ち出すことはできないが、北朝鮮の核問題を解決するために役に立つ核心的な問題を討論することになるだろう”と予測した。

レオン・シガール博士は24日、デイリーNKと電話でのインタビューを行った。

[次はインタビューの全文]

- アメリカが北朝鮮の核問題の解決に多くの関心と努力を傾けており、北朝鮮も肯定的に応じている。こうしたアメリカの政策の変化は、イラク問題が大きな影響を及ぼしたと考えられる。2・13合意を基準に、ブッシュ政権の北朝鮮に対する態度で、変化したことと変化していないことは何か?

2・13合意で、画期的な変化が起きた。だが、2・13合意は2006年10月9日の北朝鮮の核実験がなかったら実現しなかったはずだ。ブッシュ政権の対北政策が完全に失敗しているということが(北の核実験で)明らかになった。アメリカの目標は周辺国と共に、北朝鮮の政策を変化させることだった。しかし、北朝鮮のミサイル発射実験はこうした政策の失敗を見せてしまった。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

ブッシュ大統領は鷹派と考えられている。だが、大統領は(第1期政権当時)パウエル国務長官が交渉を始めるようにと主張して、チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官がだめだと言った時、その2人の陣営の間を行ったり来たりした。

ラムズフェルドではなく、ライスが国務長官である現在の状況では、ライスが交渉をきちんとやってみようと言ったはずだ。(現在、大統領と親しい人はライスだけだ。他の人は事務的関係に過ぎない)今までは対話だけ交わして交渉ではなかったのではないだろうか。

ライスが大統領を説得すると、チェイニーは何も言えなかった。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

- 盧武鉉大統領は南北首脳会談で北朝鮮の核問題を議論するのは、’けんかをしなさいということ’と反駁した。南北首脳会談で北朝鮮の核問題が核心議題として上がることに賛成するか? その理由は何か?

盧武鉉大統領が国内の政治に関してこの問題に対して言及することは理解できる。しかし、韓国と北朝鮮が直接、核問題について話すことはないだろう。盧大統領は今回の会談で、北朝鮮の核問題を解決するのに、多くの役に立つ核心的な問題を討論して、これにより次期6ヶ国協議をより順調に進行するため、役に立つことはできる。

だが、ここで重要なことは、金正日が朝鮮半島の平和に対して、どのように考えているのか聞いて見ることだ。韓国やアメリカが金正日と単独で話すことができる機会はそんなに多くないため、今回の会談は本当に重要な機会だ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

2番目に、南北朝鮮間で進行している経済的な取り決めを、きちんと進めることが重要だ。ワシントンでは“アメリカよりも韓国が先に進んではいけない”と言うが、これは本当におかしな話だ。もちろん、韓国の人々が北朝鮮にあまり頑なに支援をすることは良くないが、それでも南北関係は続けた方が良い。北朝鮮の核問題と統一問題という2つの問題は、アメリカと韓国、北朝鮮の3ヶ国全ての安保のための主要な核心だ。

-北朝鮮は核の交渉過程で、軽水炉を要求するという主張を続けている。アメリカはこれに応じていない。北朝鮮が完全な核廃棄の前に、軽水炉に固執すると考えるか? それでは、核の交渉の進展が困難にならないか?

北朝鮮は軽水炉問題を交渉のテーブルにのせるだろう。何故ならば、これはアメリカとの敵対関係を終わらせることを象徴することだからだ。だが、北朝鮮が軽水炉に対して言及すると言っても、軽水炉を与えなければ核の開発を続けるという立場ではない。

北朝鮮が核物質と、彼らが保有している核兵器を放棄する対価として要求する補償が何で、いつ与えるかなどについて話す時点が近付いているだろう。その時、北朝鮮が軽水炉の提供に固執するのか、それとも(アメリカとの)より緊密な関係に満足するか分かるだろう。

北朝鮮と韓国が和解するのと同時に、アメリカと北朝鮮、日本と北朝鮮の関係もよくならなければならない。そしてそうした状況の下で、根本的な政治関係の変化が生じれば、金正日はその時、核兵器を放棄するだろう。

その時になっても、北朝鮮が軽水炉の提供にとらわれるか疑問は残っている。この問題は今後進行される非核化プロジェクトに、あまり大きな影響や障害物になるとは思わない。まだ起きていないことに対して心配するよりは、次の段階について悩むべきだろう。現在は、私たちが北朝鮮に対して、敵対的立場ではないということを見せるのが一番重要だ。

- 1994年のジュネーブ合意当時、軽水炉支援の問題が初めて言及された。アメリカは当時、北朝鮮が核施設を閉鎖する対価として、北朝鮮に軽水炉を支援することを約束した。

アメリカは軽水炉だけでなく、他のことにも合意した。何よりも、敵対政策を終わらせて、制裁措置を緩和する完全な政治経済的正常化に合意した。

私たちは(1994年のジュネーブ合意を通じて)2003年頃まで軽水炉2基を提供すると言った。この時、’2003年頃’と言ったのは、状況によって変わる可能性があるからだった。合意で私たちがある程度守ったことは、重油を提供したことだった。アメリカは正確な時点ではなかったが、早めに重油を提供した。議会が予算案を通過させず、重油が到着するまでより多くの時間がかかったが、私たちは最後まで履行した。

ジュネーブ合意が実際に守られたという事実が忘れられている。ジュネーブ合意は北朝鮮が30個の核爆弾を作ることができる量のプルトニウムプログラムを止めさせた。

しかし、94年の協定が破棄され、北朝鮮は1997年に“あなたたちが協定を守っていないから、私たちも守る義務がない”と繰り返して警告し始めた。98年に彼らは2つの段階に進んだ。彼らは核プログラム開発で脅し始め、デポドン1号ミサイルを試験発射した。

99年のクリントン政府の末期に、アメリカは問題が生じたということを悟り、ペリーが金大中と議論した。両者は和解の段階に戻り始め、ミサイル実験の中止はもちろん、北朝鮮のすべての中長距離ミサイルプログラムの実験の中止と除去という、北朝鮮の提案を引っ張り出した。しかし、相変らず解決できなかった問題であるため、私たちは結局、ミサイル問題に戻らなければならないだろう。だが、核問題の解決が先だ。

-韓国国内の執権勢力は、核問題が解決する前も、平和体制議論を積極的にしなければならないと主張するが、野党は核問題以後に行わなければならないと反対している。平和体制議論の適当な時点はいつだと考えるか? 核廃棄の前に、平和体制について議論する場合、北朝鮮に誤った信号を与えることにならないか?

6ヶ国協議の関連国は、既に平和体制に関して議論を始めることに同意した。そして、平和体制の一番重要な段階は平和条約になるだろう。6ヶ国協議の参加国が今すぐ平和体制の交渉を仕上げなければならないと言うことではない。平和宣言について先に話されており、これは北朝鮮も同じだ。平和宣言は平和体制の定着のための第一歩だ。

平和宣言は条約と違う。平和条約が意味を持つには、恒久的な境界線に関して話をしなければならない。平和条約締結の前に、北方限界線について同意されなければならない。また、DMZの両側に軍隊が配置されており、実際に軍事行動をしている国境紛争について話さなければならない。このすべてが真の平和条約に含まれる。

平和宣言は少し異なる。平和宣言は私たちに、平和協定について今すぐ議論を始める用意があるということを意味する。

-バーシバウ在韓米大使は9月12日にデイリーNKとのインタビューで、北朝鮮が核を完全に廃棄する場合、来年中に米朝首脳会談が可能だと明らかにした。来年までに、完全かつ検証可能な廃棄が可能だという意味のようだ。果して、北朝鮮は核を完全に放棄するだろうか?

北朝鮮が在来式の武器と、すべての核物質を放棄するかどうかについて、正確な答えは金正日を除いて、誰も分からないだろう。これが分かる唯一の方法がある。段階的、相互主義的な方法で交渉することだ。武装解除に対する補償として、新しい政治的関係を作る段階に入るのだ。

北朝鮮が2008年までに核を廃棄するのか聞いても、返事はとても困難になるだけだ。正確には分からないが、北朝鮮は今後(ブッシュ政府の任期である)1年6ヶ月以内に(廃棄)するはずだと言えるということだ。しかし、時間が十分だとは考えられない。なぜならば、韓国とアメリカ、日本が北朝鮮を信じるのに長い時間がかかるからだ。

私はアメリカと日本、韓国が言葉ではない信頼を与える行動を取ると思う。北朝鮮に、私たちは本当に変わったと確信させなければならない。

-最近、シリアと北朝鮮の核コネクションに関する報道が続いている。今回の6ヶ国協議にも少なくない影響を及ぼすと考えられるが、どのように考えるか?

‘シリアの話’はいいかげんな話だ。このことを知っている地位にいる人たちは、誰も核物質の移転について語っていない。ただ一人、ジョン・ボルトンが語った。彼はもはや、高位官僚ではない。シリアの事業に北朝鮮の核物質が関係していなかったということを明らかにするか、とても疑わしかった。私は(アメリカは)それを捜し出さないと確信する。

これはボルトンのような人が楽しむゲームの1つである。彼らは交渉のトラックがますます深刻になることを楽しむ。彼らはウラン濃縮プログラムを誇張している。プログラムはあった。しかし、彼らはそれを誇張して交渉を阻むために利用した。

パウエルが交渉を進めようと思った時、鷹派は突如として、北朝鮮がミサイルに装着することができる弾頭を作ったと言った。しかしそれは事実ではなかった。

おそらく、ヒズボラに与える在来式の武器の船積みをしていたのであって、核兵器に関しては何もしなかったはずだ。これはシリアが最新の核プログラムを持っていないと言うことではない。そして、かつてミサイル分野で北朝鮮の協力がなかったと言うことでもない。

ただ、北朝鮮が最近、シリアの核問題に関わったという何の証拠もなかったということだ。

インタビュー・整理=ホリー・フィンチャー(Holly Fincher) 国際部インターン記者