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北朝鮮の国営企業の労働者の平均月給は4000北朝鮮ウォン(約52円)。幹部や労働強度の強い炭鉱労働者でもせいぜい5000北朝鮮ウォン(約65円)だ。コメ1キロの価格は5000北朝鮮ウォン前後、平均的な4人家族の1ヶ月の生活費の50万北朝鮮ウォン(約6500円)となっている。

この驚くべき超薄給は、かつて生活に必要なぼほすべてのものが国から配給され、現金なしでも暮らしていけた時代の名残りだが、月給だけに頼っていればたちまち餓死してしまうことは言うまでもない。庶民は、職場で働く以外の「商売」をして収入を得ているのだ。

米国の戦略国際問題研究所(CSIS)が脱北者36人を対象に調査した結果、35人が75%以上の収入を、その中でも26人がほぼすべての収入を市場での活動で得ている実態が明らかになった。 つまり、国営企業や国の機関から得られる給料、配給で生活を維持している人は皆無ということだ。

薄給なのは朝鮮労働党や行政機関の幹部も変わらないが、彼らは許認可権をネタにワイロを受け取って暮らしている。もはや善悪の問題ではなく、生存のかかった問題だ。もちろん、女性に対する「性上納」の強要は絶対悪だが。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

国際社会の対北朝鮮制裁が長引くにつれ、幹部が受け取るワイロの額が大幅に減少したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

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中国にやってきた在北朝鮮華僑商人によると、国連の経済制裁により市場の景気が悪く、商売あがったりの状態だ。彼らからワイロを受け取って暮らす幹部は、その苦しい事情を理解し、「額が少ない」などと文句を言うこともないという。

その日暮らしの庶民は、商売が苦しくなり、幹部にワイロを渡して頼むべきことも減っている。ワイロを渡そうにもカネを集めるのが大変なので、商売をやめてしまうケースすらあるという。これでは、ワイロの額は減る一方だ。幹部は次の一手に出た。

平安北道(ピョンアンブクト)の別の情報筋によると、幹部が住民を訪ねて「何か頼みたいことはないか」「あれば聞き入れてやるから中国人民元で数百元でいいから貸して欲しい」と御用聞きをする状況となっている。

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幹部の苦しい懐事情を察した商人は、カネをかき集めていくらかを渡しているという。今後も商売を続けるには、幹部との良好な関係を保たなければならないからだ。

それでもワイロを得られる幹部はマシな方だ。同じ幹部でも許認可権を持たない人は、ワイロをもらうこともできず、苦しい暮らしを強いられている。