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咸鏡南道の咸興市に住む、チェ・イルナム(仮名.25)氏は今年の春に、隣り村に住んでいた女性と結婚式をあげた。知り合いと友人の助けで結婚式も立派にあげた。

だが、チェ氏は結婚した後も色々と気を使わなければならなかった。北朝鮮でも韓国のように、結婚をする場合、男性が家を用意して、女性は生活用品を新調するのが普通だ。両親と一緒に暮らすことはほとんどない。

だが、最近では毎年高騰する家の値段のため、新しい家を探すのが困難な人も増えた。また、家をやっと見つけても、検察所(警察署)や保安署、人民委員会の都市経営課が、個人が勝手に家を売買したと言って没収することもたびたびある。

こうして没収された家は、軍人や除隊軍人にあてがわれるという。チェ氏も家が没収されて、行き場がない境遇になってしまった。チェ氏は憤り、保安署に乗り込んで、“私たちにどうやって暮らせというのか”と問い詰めた。すると、“両親と一緒に住めばよいのではないか”と建物の外に追い出されたという。

チェ氏は既に、家を買うために借金をしていた。両親と弟たちも生活がとても苦しいため、実家で一緒に暮らすのは想像もできないことだった。

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どうしようもない状況で、新婚夫婦は各自の家で別々に生活しなければならなくなった。他の人の話を聞いたら、自分たちのように、別れて暮らさなければならない新婚夫婦が多いという。

◆ 北にも手抜き工事が?…ヨンチョンの不安な事情

平安北道のヨンチョンに住むキム・クムニョ(仮名. 55)氏は最近、安眠できないでいる。家族が住んでいる小さなアパートが、いつ崩れるか分からないという不安のためだ。

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2004年のヨンチョン駅の爆発事故で家を失ったキム氏は家族を連れて数ヶ月間、テントで暮らさなければならなかった。知り合いの家に頼って暮らす事を繰り返し、やっと国が新しく住む家を作ってくれたという嬉しい知らせを聞いた。だが、喜びもつかの間、家は外側が良く見えるだけで、いつ崩れるかも知れないという不安がつきまとった。

隣人たちが、ヨンチョン駅の爆発事故で、新しく建てられた家が、欠陥工事で崩壊の危険にあるという話をし始めた。新たに建てた家は、不良な資材と短い工事日程で、オンドルもきちんと敷かれておらず、電気の施設も適当に作られ、電気がつかない家も多かった。壁には亀裂があり、崩壊の危険も高かった。

事故の当時、支援された多くの建設資材や食料品は、ヨンチョンの住民に届く前に幹部たちによって他の道・市・郡に売られたという。また、実際に復旧作業に使われた資材は粗末なものだけで、欠陥工事だったという。

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いつ崩れるか分からない家に住むキム氏にとって、国と将軍様はこれ以上有難い対象ではなかった。

◆“証明写真を撮って行きなさい。一枚2千ウォン”

咸鏡道清津市に住むファン・チョリョン(仮名. 20)氏の父親は中国で貿易をして、かなりの富を得た貿易業者だ。父のおかげで、ファン氏は職場に名前だけ登録して、友達と遊びまわっていた。家にはめずらしい外国製の品物が多かった。

ファン氏が特に大切にしているものは、日本製のデジタルカメラだ。カメラを持って通りを歩き回れば、若い女性たちが羨望の目で自分を眺める。

清津市には、自分のようにデジタルカメラを持っている人が随分多い。デジタルカメラを使用する人が、3~4年前から急に増え始めた。専門に写真を撮ってくれる店もできた。証明写真一枚、2000ウォンで作ってくれる。

会寧市に住む友逹の話を聞くと、そこでは一枚500ウォンで、デジタルカメラで写真を撮ってくれるという。一定の量が集まって、清津市に送って現象と印画をする場合、普通5日ほど時間がかかるという。