〈「朴光浩副委員長が今月17日、金正日総書記死去7周忌を迎えて党高位幹部が参加した錦繻山(クムスサン)太陽宮殿参拝に出席していなかったことが確認された」とし、「10月10日の党創立72周年記念行事を最後に公開活動がない」と伝えた。朴光浩氏は今年、金正恩国務委員長が出席した行事に6回同行したが、10月以降は一切姿を見せておらず、先月3日に平壌(ピョンヤン)で開かれた中朝芸術家合同公演にも出席しなかった。〉
北朝鮮メディアが錦繻山太陽宮殿参拝について伝えた記事で名前が出ているのは、金正恩氏だけだ。これについては恐らく、韓国の情報機関・国家情報院(国情院)が、北朝鮮の新聞などで紹介された写真や内部情報から朴光浩氏の「不在」を分析したのだろう。
また、11月3日に平壌で開かれた中朝芸術家の合同公演に、朴光浩氏が参加しなかったのも事実のようだ。この公演を金正恩氏が鑑賞したと報じた北朝鮮メディアの記事の中に、同氏の名前はない。党宣伝扇動部長ならば、よほどの事情が無い限り金正恩氏に同行すべき行事であり、同行していたならば、記事から名前が抜け落ちることも考えにくい。
しかし朴光浩氏はこの前日、つまり11月2日に行われた中国芸能人代表団の歓迎行事には参加しているのだ。国営の朝鮮中央通信が、朴光浩氏が同代表団の歓迎宴と歓迎公演に参加したことをハッキリ伝えている。
つまり、朴光浩氏は2日の歓迎行事には参加しながら、翌日のより重要な行事には参加しなかったことになる。70代と高齢でもあり、この1日の間に健康上の問題が生じたのだろうか。その後については中央日報が指摘する通り、動静が途絶えているのが現状だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面前述したとおり、北朝鮮の人事情報の確認が難しいのは事実だ。ただ、処刑や粛清がらみの突発的な人事ならいざ知らず、公式情報を「韓国政府当局者」――おそらくは国情院か青瓦台の要人――が見逃すということはこれまでなかった。
北朝鮮との直接対話が進む中、韓国の担当部署において、長きにわたり培われた「プロフェッショナリズム」が廃れ始めたのでないのなら良いのだが。