北朝鮮の金正恩党委員長が、現在国内で進められているカジノ事業について中止せよと指示を下したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

RFAは、中国国境在住の情報筋が、北朝鮮の貿易会社の幹部から聞いた話として、金正恩氏が、「うるさいのでカジノをすべてやめろ」と朝鮮労働党と内閣に指示したと報じた。

「うるさい」というのは、中国からの横やりを意味している。

「カジノ産業をやめた最大の理由は、この事業が外国、特に中国からの投資の誘致に大きな障害となると判断したからだ。中国が北朝鮮のカジノ事業に否定的だという報告を受けた金正恩氏が指示を下した」(情報筋)

中国からの投資を、喉から手が出るほど欲しがっている金正恩氏としては、同国政府の視線を意識せざるを得なかったと思われる。

韓国の東亜日報は今年6月、金正恩氏がトランプ米大統領に対し、国内で建設中のカジノなど観光施設への投資協力を要請したと報じていた。

(参考記事:「カジノの商売、手伝って」金正恩氏がトランプ氏に要請か

実際に北朝鮮は、中国との国境に面した新義州(シニジュ)でカジノ付き高級ホテルの建設を進めていた。しかしこれは、中国からの抗議を受け今年秋に工事が中断している。

別の情報筋はこのホテルについて、貿易会社幹部の証言が事実ならば、カジノを計画から外した形で近日中に建設が再開されるだろうと述べた。

また、この情報筋は金正恩氏の今回の決定について「賢明だ」と評価しつつも、仮に未練がましく元山(ウォンサン)や三池淵(サムジヨン)にカジノを作れば、中国政府は投資のみならず、自国民が北朝鮮を旅行することすら禁止する可能性もあると述べた。

一方で米国の北朝鮮ニュース専門サイトのNKニュースは、中国のキャッシュレス決済サービスのアリペイ(支付宝)が、北朝鮮での決済をブロックしたと報じた。アリペイの関係者は、平壌のカジノと商業的な関係を結んでいないとして、北朝鮮全域で自社サービスを利用した決済が行われないように措置を取ったと述べた。デビットカードサービスを提供する銀聯も同様の措置を取っているとのことだ。

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