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北朝鮮の経済を底辺から支えているのは、合法・非合法に中国から輸入される品々だ。国際社会の制裁とは縁遠い民生品であっても、合法的な輸入が国内需要を吸収しきれない場合は、非合法な密輸が活発化する。

最近の北朝鮮で活発に密輸されているのは、暖房器具とソーラーパネルだ。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、本来冬になれば密輸は減る傾向にあるが、電気ヒーターと電気毛布、そしてソーラーパネルだけは需要が根強い。金正日総書記の哀悼期間に前後して統制が強化されているが、業者は密輸を決行しているという。一度に密輸される量は10トンから30トンとのことだ。

ソーラーパネルは縦60センチ、横40センチ、50ワット型の小さなもので、中国のネットショップでは120元(約1980円)前後だが、300元(約4940円)もの高値で売られており、さらに値上がり傾向にある。電気毛布やLEDライトなら3時間から5時間ほど使える。

ソーラーパネルが人気を集めているのは、長年の深刻な電力不足のせいだ。

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北朝鮮の電力需要量は800万キロワットと言われているが、生産電力は380万キロワットにも満たない。電力の多くを水力発電に頼っているが、もともと冬は降水量が非常に少ない気候のため、充分な電力を生産できないのだ。ちなみに韓国気象庁の資料によると、恵山の1月の平均降水量は5.2ミリ。地域的に比較的降雪が多い元山(28.8ミリ)、韓国のソウル(20.8ミリ)、東京(52.3ミリ)と比べて極端に少ない。

電気毛布が人気を集める理由は、一酸化炭素中毒だ。

(参考記事:「眠っているうちに」死者数万人、北朝鮮庶民が震える「冬の夜の恐怖」

北朝鮮ではオンドルに石炭を使うことが多いが、そのため一酸化炭素中毒事故が頻発に起こる。人民班(町内会)では、事故を防ぐために夜回りを行っているものの、最近は犯罪が多いため、訪ねていっても玄関を開けてくれず、効果的な予防活動ができない状況だと伝えられている。