太永浩氏の著書によれば、張成沢氏の処刑後、巻き添えで粛清された幹部について、次のような情報が出回ったという。
「労力英雄の称号を受けたオボンサン管理所の所長も拘禁された。張成沢が遊び相手にしていて殺してしまった女性たちを、焼いてしまったという嫌疑のためだった」
オボンサン管理所は、火葬場や共同墓地を管理する組織だ。前述したとおり、党機関紙は張成沢氏の「不倫三昧」と麻薬の乱用を指弾していた。実際、彼は多数の女優やスポーツ選手を愛人にしていたとされ、北朝鮮では覚せい剤の蔓延も深刻だ。「殺してしまった女性たち」というのは、薬物の過剰摂取か何かで死んでしまった女性たちがいたということだろうか。
(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち)ことの真偽は藪の中だが、噂が出回ったというだけで、北朝鮮国民には十分にショッキングだ。