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ロシアには現在、1万人以上の北朝鮮労働者が滞在し、建設業などに従事している。国連の制裁で新規の雇用許可は禁止されているはずだが、ロシア当局は今年に入ってからも雇用許可を出し続けている。そんな中、職場を離脱して脱北する労働者が増えている。

米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の高麗人(朝鮮系ロシア人)の情報筋によると、ロシア各地には職場を離脱した北朝鮮労働者が隠れ住むアジトが存在する。3〜4人が身を寄せ合って暮らしているところがほとんどだが、中には10数人がいるアジトもあり、モスクワ郊外には80人から100人がロシア人の助けを受け暮らしている。

労働者が勤務地を無断離脱する理由は、「カネ」だ。

北朝鮮労働者がロシアに出稼ぎに来る理由は、北朝鮮ではあり得ないほど高額の賃金が期待できるからだ。当局に一定額の上納金を納めれば、残りは自分のものになる。

しかし最近、当局は元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区や三池淵(サムジヨン)郡再開発などの建設資金が必要だとして、上納金の額を上げた。そのため、労働者の手にはカネがほとんど残らなくなった。

(参考記事:住民や労働者が次々に逃げ出す酷寒の「恐怖写真」現場

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極東ウラジオストクの情報筋も、北朝鮮当局の帰国命令を無視して、職場を離脱する労働者が増えていると伝えた。理由は他の地域と同じく「過度な党資金(上納金)の要求と、幹部による執拗な搾取」(情報筋)のせいだ。

搾取とは、宿代、光熱費など様々な名目で給料から天引することを指すが、本当に必要経費なのかは不明で、不当に高い。

「カネを稼ぐため、借金をしてまで役人にワイロを渡してロシアに来たというのに、カネが全く貯められず一文無しになり離脱を決心するのだ」(情報筋)

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国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のモスクワ事務所に難民申請をする人もいて、数名が難民認定を受けた。しかし、ロシアに引き続き滞在できるわけではないので、韓国など第三国に出国しなければならない。

一方、難民審査中の人や申請をまだしていない人は、いつ逮捕されるかわからない状況にある。中には「アジトと食事を提供する」と言って、タダ働きさせるあくどい業者もいるなど、人権侵害にさらされている。